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■路上で寝込んで事故死、全国で毎年100件前後 ほとんどが飲酒して深夜に横臥 [健康ダイジェスト]

 道路上に横たわった状態で車などにひかれて死亡する事故が、全国で毎年100件前後起きています。警察庁によると、昨年は全国で107人が死亡。65歳未満の死者が65人で、うち約8割が飲酒していました。ほとんどが夜間に発生し、ひき逃げ事件となったケースも。
 警察や業界団体は注意を呼び掛けるものの、専門家は「歩行者も危険性を意識した行動をとってほしい」と話している。
 路上横臥(おうが)の事故は近年多発しており、警察庁のまとめでは、2019年は124件発生。新型コロナウイルス禍で外出の自粛も多かった2020年(78件)と2021年(81件)はやや減少したものの、2022年は109件に増え、昨年も107件でした。
 被害者は特に65歳未満が多く、昨年発生した歩行者の死亡事故の内訳をみると、65歳以上では路上横臥が6・3%だったのに対し、65歳未満では25・2%と実に4分の1を占めました。
 宮城県警で交通事故の鑑識業務に長年携わった「交通事故調査渋沢事務所」(東京都)社長、渋沢敬造さん(62)は、これまで目にした路上横臥の事故では、飲酒して深夜に路上で寝込み、事故に遭うパターンが多いと指摘しています。中には飲酒後、自宅から少し離れた場所でタクシーを降り、徒歩での帰路で寝てはねられた人もいました。
 渋沢さんは「自分では大丈夫だと思っていても、深酒すると意識が遠のいてしまうことがある」とし、「酒を飲む時には帰宅手段を確保することや、自宅から遠い場所であれば酒量を抑えることなどが必要」と強調。ドライバー側に対しても「路上で横たわる人がいる可能性もあると考えながら運転してほしい」と話しました。
 道路に人が横たわっているという「まさか」の事態。警察や業界団体は、ドライバーに予期せぬ状況への意識を高めてもらい、事故防止につなげようと動画やチラシを作って啓発しています。
 昨年、交通事故の死者が148人と2年連続全国ワーストだった大阪府では、路上横臥事故での死者数は11人と目立つため、大阪府警は今年4月、交通部の公式ユーチューブチャンネルに「暗闇にひそむ危険」と題した啓発動画をアップしました。
 動画では、道路に横たわる人に見立てた人形を置き、ドライバーからどのように見えるかを再現。車のヘッドライトがロービームとハイビームでは見え方が異なるとした上で、夜間はハイビームを多用するよう訴え、「視認性が低下する夜間は速度を控えめに」などと呼び掛けています。
 また、国土交通省関東運輸局やタクシー業界の団体などでつくる「タクシー事故防止対策検討会」は2021~2022年に起こったタクシーの路上横臥事故15件を分析。年度替わりや年末、梅雨の時期に多発し、車側が時速40キロを超えると死亡事故につながりやすい傾向があることがわかりました。
 検討会でも、タクシー運転手が実際に運転し、路上に横たわった人形がどのように見えるかを体験した啓発動画を作成。対策として、人が倒れているかもしれないと意識した運転の心掛けや、ハイビームの活用を挙げています。

 2024年5月4日(土)

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