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■記憶にかかわる遺伝子がPTSD発症に関連か 東大などのチームが発表 [健康ダイジェスト]

 重大な事故や災害など、つらい体験によるストレス症状で生活に支障をきたす心的外傷後ストレス障害(PTSD)について、東京大学などのチームは、マウスを使った実験などの結果、記憶にかかわる遺伝子の働きの低下が発症の仕組みに関連しているとする研究成果を発表しました。
 PTSDは、生死にかかわるような事故や災害、暴力などの被害を受けた後、当時のつらい体験を突然思い出す「フラッシュバック」などのストレス症状が出て、生活に支障が出る精神的な疾患です。
 東京大学の喜田聡教授などのチームはPTSDが起きる仕組みを調べるため、恐怖を感じる体験をさせたマウスを使って実験を行い、脳内で記憶にかかわる特定の神経伝達物質が増えると、フラッシュバックと同様の症状が起きやすくなることを確認しました。
 その上で、マウスの脳や血液と、実際のPTSDの患者の血液を比較した結果、この神経伝達物質を分解する酵素を作る「ホスホジエステラーゼ4B」という遺伝子の働きが共通して低下していることがわかりました。
 この遺伝子の働きが弱まると、記憶などにかかわる脳の回路が過剰に活性化し、PTSDにつながるとみられています。マウス実験で人為的にこの回路を活性化すると、PTSDの重症度が増すこともわかったとのことです。
 また、この回路は開発中の慢性疼(とう)痛治療薬で不活性化することもわかったことから、治療法につながる可能性があるとしています。
 喜田教授は、「PTSDは誰もがなる可能性があるが、根本的な治療薬は、まだない。原因となるメカニズムがわかってきたことで、新たな治療法の開発につながる」としています。

 2024年5月4日(土)

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