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■脊髄性筋委縮症の治療薬、厚労省が初めて承認 核酸医薬「スピンラザ」 [健康ダイジェスト]

 全身の筋力が低下する難病の脊髄性筋委縮症(SMA)の初の治療薬「スピンラザ」(一般名・ヌシネルセンナトリウム)について、製薬会社バイオジェン・ジャパンは3日、厚生労働省から製造販売の承認を取得したと発表しました。
 8月中にも保険適用される見通し。脊髄性筋委縮症は主に小児期に現れる病気で、10万人に1、2人の割合で発症します。生後半年以内に発症する最も重いタイプは、寝たきりで体を動かすのが困難で、人工呼吸器などが生涯必要となります。病気の原因は遺伝子の異常で、筋肉を動かすのに必要なタンパク質が正常に作られないために生じます。
 新薬のスピンラザは、DNAやRNAといった遺伝情報をつかさどる物質を利用する「核酸医薬」で遺伝子に作用する画期的なタイプで、脊髄性筋委縮症と診断された重症の乳児が対象。
 日本人を含む国際共同治験では、約4割の患者が寝返りを打てるようになったり、自力で座れるようになったりしました。スピンラザが異常のある遺伝子とは別の似たRNAに結合して、このRNAが筋肉を動かすタンパク質になるためと見なされています。
 スピンラザは、アメリカやヨーロッパ連合(EU)、カナダでは先行して承認されています。アメリカでは2016年9月に申請し、わずか3カ月の速さで承認が下りたことが話題となりました。日本では2016年12月に承認申請が行われ、通常よりも大幅に速い7カ月での承認となりました。
 患者団体の「SMA家族の会」副会長の女性は、「早く承認され非常にうれしい。乳児型以外の患者にも早く使えるようになってくれれば」と期待を込めます。
 核酸医薬は、第一三共や大日本住友製薬、日東電工など、多くの国内企業が開発に参入しています。スピンラザの承認で、開発に弾みが付きそうです。
 なお、スピンラザの薬価は通常なら8月に決まります。高額薬剤が問題となる中、薬価には注目が集まっていますが、アメリカでは1瓶1400万円の値段が付いており、最初の1年は8400万円、2年目以降は年4200万円の薬剤費となります。昨年、アメリカで承認された筋ジストロフィーの核酸医薬「エクソンディス」も、小児で年8400万円の価格設定であり、スピンラザが異常とはいえません。

 2017年7月4日(火)

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