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■中国、大気汚染6億人に影響 九州など、一時的に汚染物質上昇 [健康ダイジェスト]

 中国では先月初めから、東部や内陸部を中心に車の排気ガスや工場からの煙などに含まれるPM2・5という、直径2・5マイクロ・メートル(1マイクロは100万分の1)以下の極めて小さな粒子の濃度が高くなり、有害物質を含んだ濃霧による大気汚染が深刻な状態が続いています。
 中国環境保護省は4日、有害物質を含んだ濃霧について、1月24日以前の段階で中国全土の4分の1が包まれ、全人口の5割弱の約6億人が影響を受けたと発表しました。
 濃霧はその後も発生しており、最終的な汚染規模はより広範に及んだ可能性が高くなっています。大気汚染の拡大を防止するため、2月10日の春節(旧正月)を祝う花火や爆竹の自粛を求める声も上がっています。
 日本の環境省によりますと、先月中旬から今月にかけて福岡県や佐賀県、それに富山県などでPM2・5の濃度が平常時に比べて一時的に高くなっている地点があったということです。
 これについて環境省は「汚染物質が中国から風に乗って日本に飛んできた可能性は高い」として調査を続けています。
 また、一時的に濃度が高くなっていることについて、影響を心配する声が高まっていて、各地の観測値を掲載している環境省のホームページが接続しにくい状態になっているということです。
 環境省は「観測されている数値は健康への影響が心配されるレベルではない」として、冷静に対応するよう呼び掛けています。
 PM2・5の濃度が国内で一時的に高くなっている地点が出ていることについて、大気汚染物質が健康に及ぼす影響に詳しい国立環境研究所環境健康研究センターの新田裕史センター長は、「基準値を多少超えたからといって、すぐに重大な健康被害が出るとは考えられない。ただ、ぜんそくなどの呼吸器や循環器系の持病がある人は、数値が高い日はなるべく外出を控えるなどの予防策を取るのも一つの方法だ」と話しています。
 さらに新田センター長は、「PM2・5は、さまざまな物質が混じり合っていて、それぞれの成分と健康影響との関係についての解明が不十分なところもあり、高い濃度が出た時の短期的、長期的、それぞれの健康影響についての研究を進めていく必要がある」と話しています。
 一方、中国の大気汚染が深刻化していることから、福岡市は中国から偏西風に乗って飛来する汚染物質の濃度を独自に予測し、市民に注意を呼び掛ける予報を今年の夏にも始めることになりました。
 福岡市では現在、市内に6カ所ある粒子の測定ポイントを新たに3カ所増やした上で、専門家の意見を基に独自の健康基準を定めることにしています。その上で観測値や風向きなどから基準値を上回りそうな場合には、インターネットや防災メールを使って市民に注意を呼び掛けることにしています。
 福岡市によりますと、中国からの汚染物質の飛来による大気汚染の予報を行うのは、全国でも初めてだということです。

 2013年2月4日(月)




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