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■東京医歯大、人の皮膚を持つマウスの作製に成功 やけど治療への応用目指す [健康ダイジェスト]

 東京医科歯科大などの研究チームは、妊娠中のマウスの羊水に人の皮膚のもとになる細胞を入れ、人の皮膚を持つマウスを作ることに成功したと発表しました。重いやけどや外傷を負った人への移植用皮膚として実用化を目指すとしています。論文が29日、イギリスの科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載されました。
 チームは、遺伝子を改変するゲノム編集技術を使って、皮膚の成長に必要な遺伝子が機能しないマウスの受精卵を作製しました。この受精卵を移植して妊娠させたマウスの羊水に人の皮膚のもととなる幹細胞を注入しました。その5日後、胎児のマウスを調べたところ、体表面の広い範囲に人の皮膚が作られていたといいます。
 遺伝子改変したマウスの受精卵に、別のマウスの幹細胞をより早いタイミングで混ぜ合わせると、毛が生える毛包など、より機能の高い皮膚が作られました。チームは、妊娠期間が長いブタなどを使えば、高機能な人の皮膚を大量に作製できるとみています。
 やけどや外傷の治療用には皮膚の最も外側に当たる表皮を培養したシートが実用化しています。ただ、表皮の内側にある「真皮」は含まず、深い傷や重度のやけどで真皮を失った患者の治療はむずかしく、課題がありました。毛などの器官もなく皮膚の機能を十分に再現できていません。他人から提供された皮膚は移植しても拒絶されてしまい定着しにくいのが課題でした。
 チームの水野直彬・同大助教は、「患者さんの治療に役立つ移植用皮膚の提供につなげたい」と話しています。

 2024年4月30日(火)

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