■病気 悪性リンパ腫 [病気(あ行)]
リンパ組織の細胞が悪性化して全身の臓器を侵す疾患
悪性リンパ腫(しゅ)とは、全身に広がっているリンパ組織内の細胞が悪性化し、次第に全身の臓器を侵していく疾患。ホジキンリンパ腫と、それ以外の非ホジキンリンパ腫に大別されますが、互いに似た経過をたどります。
ホジキンリンパ腫はホジキンという人が最初に報告したもので、非ホジキンリンパ腫にはT細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、NK細胞リンパ腫があります。
悪性リンパ腫の原因は白血病と同様に、ウイルス、化学物質、放射線など、いろいろの因子が関連していると考えられていますが、詳しいことはまだ解明されていません。
悪性リンパ腫の発生率は、人口10万人に対して男性約9人、女性約6人と白血病より高率です。日本人の場合、悪性リンパ腫のうち90パーセント程度が非ホジキンリンパ腫で、年齢では50歳代から次第に増加します。
症状の多くは、リンパ節のはれから始まります。痛みがないために、気が付いた時にはかなり大きくなり、また、いろいろなところのリンパ節が同時にはれてくることもあります。口の中の扁桃(へんとう)を含む部分がはれると、呼吸がしにくい、のどがつかえるなどの局所症状が現れます。
全身症状としては、発熱、全身の倦怠(けんたい)感、体重減少、寝汗などがあります。ホジキンリンパ腫では、38度を超える高熱、全身のかゆみが現れることもあります。
悪性リンパ腫の検査と診断と治療
リンパ節を手術によって切り取り、顕微鏡で組織学的に検査します。そして、病巣が限られたところだけにある限局型か、全身に広がっている全身型かを診断します。限局型と全身型とでは、治療方針が異なるためです。
また、ホジキンリンパ腫と、リンパ肉腫や細網肉腫など多数がある非ホジキン肉腫では、治療法が異なります。
ホジキンリンパ腫の限局型では、放射線療法を行い、同時あるいは引き続いて、化学療法を行います。その理由は、全身に広がっているかもしれない病巣を根絶して治すためです。この治療で、大部分が5年以上生存します。
ホジキンリンパ腫の全身型では、化学療法を行います。近年は、70パーセント以上の症例で、一時的に正常な状態となる寛解(かんかい)となり、その半数以上が10年再発することなく生存できます。
非ホジキンリンパ腫の限局型では、ホジキンリンパ腫と同様に放射線療法を行いますが、限局型にみえても、実際には全身的に病巣が広がっていることが多いため、化学療法が不可欠です。放射線療法と化学療法を併用して行った場合、70パーセント以上の症例で長期生存が得られます。
非ホジキンリンパ腫の全身型では、強力な化学療法を行うことにより、60〜80パーセントに寛解が得られ、2年以上寛解を継続した症例では長期生存が期待できます。
非ホジキンリンパ腫のB細胞リンパ腫に関しては、リツキサンが開発され、治療戦略が大きく変わりました。B細胞リンパ腫の90パーセント以上の症例に発現しているCDー20抗原と特異的に結合する抗モノクロナール抗体のリツキサンは、前治療がある症例に単剤で治療しても30パーセント以上の奏効率を示し、この抗体と化学療法を併用すると非常に高率で完全寛解が得られています。特に、高齢者に対しては、リツキサンと化学療法の併用が第1選択となりました。
化学療法に耐性が生じた症例と、完全寛解後に再発した症例に対しては、自家造血幹細胞移植と組み合わせた大量化学療法が効果的です。自家造血幹細胞移植では、自己の骨髄または末梢(まっしょう)血幹細胞を移植します。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
悪性リンパ腫(しゅ)とは、全身に広がっているリンパ組織内の細胞が悪性化し、次第に全身の臓器を侵していく疾患。ホジキンリンパ腫と、それ以外の非ホジキンリンパ腫に大別されますが、互いに似た経過をたどります。
ホジキンリンパ腫はホジキンという人が最初に報告したもので、非ホジキンリンパ腫にはT細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、NK細胞リンパ腫があります。
悪性リンパ腫の原因は白血病と同様に、ウイルス、化学物質、放射線など、いろいろの因子が関連していると考えられていますが、詳しいことはまだ解明されていません。
悪性リンパ腫の発生率は、人口10万人に対して男性約9人、女性約6人と白血病より高率です。日本人の場合、悪性リンパ腫のうち90パーセント程度が非ホジキンリンパ腫で、年齢では50歳代から次第に増加します。
症状の多くは、リンパ節のはれから始まります。痛みがないために、気が付いた時にはかなり大きくなり、また、いろいろなところのリンパ節が同時にはれてくることもあります。口の中の扁桃(へんとう)を含む部分がはれると、呼吸がしにくい、のどがつかえるなどの局所症状が現れます。
全身症状としては、発熱、全身の倦怠(けんたい)感、体重減少、寝汗などがあります。ホジキンリンパ腫では、38度を超える高熱、全身のかゆみが現れることもあります。
悪性リンパ腫の検査と診断と治療
リンパ節を手術によって切り取り、顕微鏡で組織学的に検査します。そして、病巣が限られたところだけにある限局型か、全身に広がっている全身型かを診断します。限局型と全身型とでは、治療方針が異なるためです。
また、ホジキンリンパ腫と、リンパ肉腫や細網肉腫など多数がある非ホジキン肉腫では、治療法が異なります。
ホジキンリンパ腫の限局型では、放射線療法を行い、同時あるいは引き続いて、化学療法を行います。その理由は、全身に広がっているかもしれない病巣を根絶して治すためです。この治療で、大部分が5年以上生存します。
ホジキンリンパ腫の全身型では、化学療法を行います。近年は、70パーセント以上の症例で、一時的に正常な状態となる寛解(かんかい)となり、その半数以上が10年再発することなく生存できます。
非ホジキンリンパ腫の限局型では、ホジキンリンパ腫と同様に放射線療法を行いますが、限局型にみえても、実際には全身的に病巣が広がっていることが多いため、化学療法が不可欠です。放射線療法と化学療法を併用して行った場合、70パーセント以上の症例で長期生存が得られます。
非ホジキンリンパ腫の全身型では、強力な化学療法を行うことにより、60〜80パーセントに寛解が得られ、2年以上寛解を継続した症例では長期生存が期待できます。
非ホジキンリンパ腫のB細胞リンパ腫に関しては、リツキサンが開発され、治療戦略が大きく変わりました。B細胞リンパ腫の90パーセント以上の症例に発現しているCDー20抗原と特異的に結合する抗モノクロナール抗体のリツキサンは、前治療がある症例に単剤で治療しても30パーセント以上の奏効率を示し、この抗体と化学療法を併用すると非常に高率で完全寛解が得られています。特に、高齢者に対しては、リツキサンと化学療法の併用が第1選択となりました。
化学療法に耐性が生じた症例と、完全寛解後に再発した症例に対しては、自家造血幹細胞移植と組み合わせた大量化学療法が効果的です。自家造血幹細胞移植では、自己の骨髄または末梢(まっしょう)血幹細胞を移植します。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
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