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■アジアから飛来した粉じんが北米を汚染 NASA研究 [健康ダイジェスト]

 アジアから太平洋を越えて北米に届いた塵(ちり)やエアロゾル(煙霧質)が米国やカナダの大気を汚染しており、おそらく気候変動の悪影響にも拍車をかけているとする米航空宇宙局(NASA)の研究が2日、米科学誌サイエンスに発表されました。
 自然の塵と汚染物質とを区別できる米仏の地球観測衛星カリプソのデータに基づいて行われた研究によると、北米では自然界の過程に加え、運輸や工業から生じるものを合わせて毎年約6900万トンのエアロゾルが発生しています。さらに、気候や人体に影響する可能性のある塵や微粒子約6400万トンが毎年、太平洋を渡って到達しているといいます。
 アジアから飛来したエアロゾルは太陽放射線を吸収し、雲の形成や降雨降雪のパターンを変え、北米西部の山地の雪解けを早めるなど、環境に悪影響を与えている恐れがあるといいます。
 また、エアロゾルは太陽光を宇宙に反射し返すため、地球を冷却する効果もあります。研究チームは今回、北米で起こっている太陽放射エネルギーや日射の減少の3分の1は、北米以外から運ばれた塵や微粒子などが主な原因であることを発見しました。
 論文の共著者であるメリーランド大学のロレイン・リーマー氏(大気学)は、「地球の各地で、(こうした塵や微粒子によって)我々が予測する温室効果ガスの影響が覆い隠されている可能性がある」と指摘。
 論文では、エアロゾルの発生は日照りや干ばつ、砂漠化などによって増えるため、1つの国や北米地域だけが汚染を削減する努力をしても十分ではなく、世界が一体となって取り組む必要があるとも述べています。
 今後は、実際どのように塵や微粒子が気候に影響を与えているのかを研究する必要があります。論文は、「塵の放出は風や降水、植生といった気候の変化に反応し得る。従って、塵と気候の間の相互作用についてさらによく理解することが不可欠だ」と指摘しています。

 2012年8月6日(月)




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