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■慢性疼痛を抱える人の約半数が治療を受けず 製薬会社2社が調査 [健康ダイジェスト]

 3カ月以上にわたって痛みが続く「慢性疼痛」の患者のうち、7割以上が「痛みがあってもある程度、我慢すべき」と考えており、約半数は5年以内に通院したことがないことが、製薬会社のファイザーとエーザイの調査でわかりました。
 調査は6月12〜15日にインターネット上で実施。成人の男女のうち、「一定以上の強さの痛みがある」「週2回以上の頻度で起こる」「3カ月以上続いている」という慢性疼痛の基準を満たした1万2595人から回答を得て、このうち各都道府県から200人を抽出、計9400人について結果を取りまとめました。
 それによりますと、腰痛やリウマチなどの「痛みがあってもある程度、我慢すべき」という回答が全国で最も高かったのは和歌山県と宮崎県の81・5パーセント(163人)、次いで石川県の80・5パーセント(161人)、兵庫県の79・5パーセント(159人)と続きました。
 最も低かったのは島根県と熊本県の66・5パーセント(133人)、次いで佐賀県と鹿児島県の69・0パーセント(133人)と続きました。全国平均は74・3パーセントでした。
 「5年以内に行ったことのある、長く続く痛みに対する対処法」を尋ねたところ、最も多かった回答は「自己対処している」47・6パーセント(4473人)で、「病院・医院で処方された薬」45・4パーセント(4267人)、「整体、鍼灸、接骨院、マッサージなど」38・1パーセント(3581人)が続きました。
 そのうち、「病院・医院で処方された薬」、「病院・医院で施されたリハビリテーション」の両方もしくは、いずれかと回答した「病院・医院に通院経験者」は49・9パーセント(4693人)でしたが、反対に約半数の50・1パーセント(4707人)が慢性疼痛を抱えながらも、病院・医院へ5年以内に通院した経験がないことがわかりました。
 通院していない理由としては、「病院に行くほどでもないと思ったので」31.2パーセント(1470人)が最も多く、次いで「費用の面で」15・6パーセント(733人)が続きました。「『痛い』と簡単に他人に言うべきではない」、「痛みをすぐに表現する人は軟弱」という回答もありました。
 通院経験者の中でも、64パーセントに当たる3人に2人が「通院先を変えた経験がある」と答えました。変更の理由としては、「治療効果に不満だった」が30パーセントと最も多く、「ほかによい病院があった」が17パーセント、「医師が痛みの治療に積極的でなかった」が12パーセントなどとなっています。
 そして、回答内容を分析した結果、5人に1人は神経が傷付くことが原因で起きる「神経障害性疼痛」という種類の痛みが疑われることがわかりました。神経障害性疼痛は、見た目には傷や炎症はないけれど、神経が傷付くことによって起こる痛みです。具体的な疾患としては「帯状疱疹後神経痛」、「糖尿病性神経障害に伴う痛み・しびれ」、「坐骨神経痛」、「三叉神経痛」、「神経根圧迫による慢性疼痛」などがあります。
 これらの疾患は長期間患うことが多く、痛みが長期間続くと、不眠や身体機能の低下、意欲の低下などからうつ症状を併発することも多く、QOL(生活の質)も低下します。これら神経障害性疼痛は、神経に作用する薬の投与が標準的な治療法で、炎症などを抑える一般的な鎮痛薬は効果がないとされています。
 痛みの治療に詳しい日本大学医学部の小川節郎教授は、「痛いという訴えに、鎮痛剤の処方で済まされる場合も多いと思うが、原因に合った治療をすれば、患者はもっと楽になると思う」と話しています。

 2012年9月9日(日)




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