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■4種混合ワクチン、一部の医療機関で不足 従来型の接種も [健康ダイジェスト]

 11月から予防接種に導入された4種混合ワクチンが、一部の自治体や医療機関で行き渡っていません。従来のワクチンに比べて注射回数を減らせ、子供の負担が小さいことから、全国同時に普及させるはずでした。厚生労働省は、在庫が一部の医療機関に偏っている可能性があるとみています。
 4種混合ワクチンは、従来のジフテリアと破傷風、それに百日ぜきの3種混合ワクチンに、ポリオワクチンを追加したもの。副作用の懸念があったポリオの生ワクチンを病原性をなくした不活化ワクチンに9月から切り替えたのに伴う導入で、新たなワクチンが承認されたのを受けて11月に始まりました。
 しかし、4種混合ワクチンに対する希望者が多く、接種できない医療機関が全国的に相次いでいます。今年8月に生まれた子供から接種を始める計画でしたが、注射の回数が少なくてすむことから、7月以前に生まれた子供のいる保護者が4種混合の導入を待って接種させるケースが多いためともみられています。
 東京都豊島区では11月下旬から、10月までの3種混合とポリオを別々に受ける方式の予診票も送り始めました。当初は足りていた4種混合ワクチンが、一部の医療機関で入手できなくなったためです。
 愛知県刈谷市でも4種混合ワクチンの供給が不安定なため、11月は対象者の2割強が別々の方式で受け、担当者は「不足は続いている」と話しています。埼玉県内のある自治体は、一時的にすべて別々の方式に戻しました。
 都道府県の月々の出生数などに基づき、需要の2倍程度をワクチンメーカーが出荷していますが、地域や医療機関によってむらが出ている状況。
 4種混合は生後3カ月から3週間以上の間隔を空けて3回、さらに半年後に1回します。東京都内の医薬品卸業者は、「当初、医療機関が初めの3回分をまとめて確保しようとする動きがあった。従来のワクチンを控えて待っていた人たちが受け、拍車をかけた可能性もある」としています。
 こうした中、小児科医などで作るNPO「VPDを知って、子どもを守ろうの会」は、感染力が非常に強く、乳幼児に感染すると重症化する恐れがある百日ぜきが大人で増えているとして、保護者に対し、接種の時期が来たら従来の3種混合ワクチンを接種するよう呼び掛けています。3種混合も、ポリオのワクチンも受けていない生後3カ月から7歳6カ月未満の子供は、原則として無料で受けられます。
 NPOの代表を務める薗部友良医師は、「接種は3回必要で、一度3種混合を受けても、その後、4種混合を受けられるので、生後3カ月になったらなるべく早く接種を受けることが大切だ」と話しています。
 厚生労働省も、「年度内には解消する見通しだが、接種時期が来たら待たずに早めに受けてほしい」としています。

 2012年12月31日(月)




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