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■餅をのどに詰まらせ東京の男性死亡 窒息事故を防ぐには [健康ダイジェスト]

 東京都内では元日の1日、高齢者など7人が餅をのどに詰まらせて救急車で病院に運ばれ、このうち68歳の男性が死亡しました。事故を防ぐため、専門家は「のどをお茶や水で湿らせてから、薄く、小さく切った餅をゆっくりかんで食べるようにしてほしい」と話しています。
 東京消防庁によりますと、1日の都内では「餅をのどに詰まらせた」という119番通報が相次ぎ、午後3時までに、いずれも60歳代以上の男女7人が病院に運ばれました。このうち、品川区の68歳の男性は朝、自宅で雑煮を食べた際に餅をのどに詰まらせ意識を失ったため、家族が救急車を呼びましたが、搬送先の病院で亡くなりました。また、足立区の76歳の男性は朝、自宅で焼いた餅をのどに詰まらせ、意識不明の重体だということです。
 東京消防庁によりますと、都内では年間に平均120人が餅や団子などをのどに詰まらせて救急搬送され、去年までの5年間で604人に上っています。月別で最も多いのは1月で36パーセント、次が12月で15パーセント。この2カ月で全体の半数を超えます。年齢別では65歳以上が89パーセントを占め、この時期の高齢者の窒息事故に注意が必要です。
 窒息事故に詳しい昭和大学歯学部の向井美惠教授によりますと、高齢者は、食べ物をかむ力や飲み込む力が弱まったり唾液の量が減ったりするほか、物がのどに詰まりかけた際にせきをして外に出そうとする反応も弱くなっているということです。
 向井教授は高齢者が餅を食べる際の注意点として、薄く短冊形に切ってから少しずつ食べる、食べる前に水や茶を飲んでのどを湿らせておく、ゆっくり何度もかんで唾液とよく混ぜてから飲み込むなどを挙げています。
 さらに、話をする時の息継ぎで気道に食べ物が入ってしまうことがあるため、餅を口に入れた際は話をしないこと、驚いた時は息を吸って食べ物が気道に入りやすいため、食事中には周囲の人が驚かせないことも大切だとしています。
 万が一、餅がのどに詰まった際の応急処置の方法を覚えておくことも重要です。東京消防庁は、大きな声で周囲に助けを呼び、119番通報をするとともに、周りの人が食べ物を詰まらせた人の意識があるか確かめ、反応があれば背中の肩甲骨と肩甲骨の間を4回から5回、強くたたくといった対処をするよう、ホームページなどで呼び掛けています。
 このほか、予防のために、従来の餅よりねばりが少なくかみ切りやすい商品も登場しています。長野県の製薬メーカーのキッセイ薬品工業が開発した「やわらか福もち」は、普通の御飯と同じ「うるち米」が主な原料で、「もち米」で作られた市販の切り餅に比べて、くっつきやすさが半分ほど、固さが4割ほどだということです。
 東京都豊島区にある特別養護老人ホームでは、うるち米で作った餅を使って汁粉などを作り、入所している人に出しています。ホームの管理栄養士は、「お年寄りは餅が大好きですが、窒息などの危険があって、施設としてなかなか使えないので、餅に近いものを出してあげたいという思いがあり、この商品を使うようになりました」と話しています。

 2013年1月2日(水)




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