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■海外で卵子提供を受ける女性急増 金沢大学が実態調査 [健康ダイジェスト]

 30歳代半ばを過ぎると妊娠しにくくなる「卵子の老化」が原因の不妊が増える中、海外で別の若い女性から卵子の提供を受けて出産する妊婦が急増していることが、金沢大学のグループの調査でわかりました。
 卵子提供についての実態調査は初めてで、専門家は国内の法整備や妊婦が安心して出産できる医療態勢作りを急ぐべきだと指摘しています。
 金沢大学の日比野由利助教のグループは、昨年10月、卵子提供の実態を調べるため国内の周産期医療を扱う医療機関を対象にアンケート調査を行い、25パーセントに当たる679の施設から回答を得ました。
 その結果、海外で別の女性から卵子の提供を受けて出産した妊婦は、確認できただけで2011年は63人と、その4年前の3倍に急増していることがわかりました。卵子提供を受けた国は、最も多かったアメリカのほか、タイやロシアなど6カ国に上りました。
 また、卵子を提供するのは現地の外国人の女性のほか、最近では日本の若い女性が仲介業者を通して海外に行き、卵子を提供するケースも出てきているといいます。
 これについて日比野助教は、「日本では事実上認められていないため、卵子の老化が原因で自分の卵子で妊娠できない女性が、最後の選択肢として別の女性から卵子を提供してもらうケースが増えているのではないか」とみています。
 生まれた子供は日本では出産した女性の子供と認められる一方で、卵子提供による妊婦を受け入れる国内の医療態勢が十分には整っていないことも、わかりました。
 分娩の際のリスクについて43パーセントの医師が高いと答えた上で、具体的な危険性として、早産や、最悪の場合、母子ともに命の危険がある妊娠高血圧症候群などを挙げています。
 しかし、卵子提供による妊娠とわかった場合、「分娩を断る」と答えた医療機関が4パーセントあったほか、「別の病院を紹介する」と答えた医療機関が22パーセントに上っていました。分娩を断る理由としては、「関与したくない」と答えた医療機関もありました。
 日比野助教は、「分娩を断る医師もいるため卵子提供を隠して出産する女性もおり、明らかになった卵子提供を受けた女性の数は氷山の一角だと思う。国内で卵子提供をどう扱うのか法整備を急ぐとともに、妊婦が安心して出産できる医療態勢作りを急ぐ必要がある」と話しています。
 法律や医師で作る学会の指針などに基づいて卵子提供が行われているアメリカには、日本から多くの女性が卵子提供を求めて訪れています。このうちサンフランシスコの卵子提供を仲介する業者には、今、およそ200人が卵子提供を申し込んでいるということです。
 日本語が話せるスタッフがいるこの業者には、日本からの相談が増える傾向にあり、昨年1年間で600人を超えたということです。費用は1回およそ500万円で、申し込むカップルは10年ほど前は医師や弁護士など所得の高い人たちが大半でしたが、最近では公務員や会社員が最も多いということです。
 この会社の川田ゆかり社長は、「申し込む人たちは、長く不妊治療で苦しんだ末の選択として、どうしても子供が授かりたいという気持ちで来ています。今年の5月ぐらいまで日本の休日に当たる日は予約でいっぱいです」と話しています。
 また、タイの産科婦人科学会の幹部によりますと、ここ数年、卵子提供のためタイを訪れる日本人が急増し、年間数百人が卵子の移植を受けているということです。

 2013年1月13日(日)




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