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■毛髪再生、iPSで前進 慶応大が毛包再生に成功 [健康ダイジェスト]

 体のさまざまな組織になるヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を用い、毛髪を作り出したり支えたりする組織「毛包」を部分的に再生させることに成功したと、慶応大学の大山学専任講師(皮膚科学)らの研究チームが23日までに、米科学誌電子版に発表しました。
 毛包は毛穴より下にある組織で、主にケラチノサイトという皮膚細胞でできた筒の形をしており、底部分に発毛の命令を出す毛乳頭細胞があります。毛髪やひげなどは毛包から生えてきますが、毛包の数には限りがあるため、移植して薄毛や脱毛の治療に使うには限界があります。
 慶応大学の研究チームは、ヒトのiPS細胞に特定のタンパク質などを加え、ケラチノサイトになる直前の皮膚細胞に変化させました。さらに、皮膚細胞に毛包を作るよう働き掛ける毛乳頭細胞の代わりに、同様の力を持つ若いマウスの幼若線維芽細胞をケラチノサイトになる直前の皮膚細胞に混合して培養。
 拒絶反応をなくした別のマウスの皮膚の下に移植したところ、2週間から3週間でマウスとヒトの細胞が混ざった毛包の組織と毛髪ができました。
 研究チームでは、できた毛包の一部は、遺伝子の特徴からヒトのiPS細胞が変化したものだとしています。
 ヒトの毛乳頭には大量採取が難しいなどの問題があるため、今回は採取が容易な若いマウスの皮膚細胞を用いました。ヒトのiPS細胞から毛乳頭細胞を作ることができれば、今回の方法を応用して完全なヒトの毛包を再生させることが可能になると期待できるといいます。
 研究チームの大山専任講師は、「iPS細胞からヒトの髪の毛ができる可能性を示すことができた。一部にマウスの細胞を使う必要があるなど課題は多いが、薄毛や脱毛の治療への応用を目指し研究を進めたい」と話しています。

 2013年1月25日(金)




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