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■卵子バンク、ドナーと患者3組決まる 半年後に体外受精の予定 [健康ダイジェスト]

 早発閉経などが原因で妊娠できない女性に無償で卵子を提供する取り組みを進めているNPO法人「OD―NET(卵子提供登録支援団体)」(神戸市)が、ドナーと提供を受ける患者3組の組み合わせを決め、早ければ半年後にも国内で初めての民間の「卵子ドナーバンク」による卵子提供が行われる見通しになりました。
 若いうちに卵巣の機能が低下し、卵子がなくなった女性は、妊娠を望む場合、別の人から卵子提供を受ける必要があります。しかし、国内で卵子提供を受けるには患者自らが卵子を提供してくれる人を探す必要があるため、ほとんど行われておらず、体制が整ったアメリカなどの海外に渡る場合、高額な費用や言葉の問題などが大きな負担になっています。
 このため患者団体や医師らが今年1月、こうした女性に無償で卵子を提供する「卵子ドナーバンク」の取り組みを進めるため、OD-NETを設立し、ドナーを募集していました。
 13日はOD-NETの岸本佐智子代表らが記者会見し、ドナーの応募者はこれまでに100人を超え、このうち9人が35歳未満で子供がいて感染症がないことなどの条件をクリアし、登録を済ませたことを明らかにしました。
 OD-NETは、今月2日、外部の医師などで作る委員会を非公開で開き、血液型などから初めてドナーと患者3組の組み合せを決めたということです。提供を受けられる患者は、生まれ付きの体質で卵巣機能が低下しているターナー症候群や、若くして卵巣機能が低下して月経が止まってしまう早発閉経で、医師によって卵子がないと診断された40歳未満の既婚者。
 今後は、提携している国内5カ所の不妊治療専門のクリニックで、改めてドナーと患者それぞれに対し、少なくとも3回カウンセリングを実施し、意思が変わらないか確認するということで、早ければ半年後にもドナーから採卵、提供を受ける患者の夫の精子とで体外受精を行い、妊娠を目指します。
 岸本代表は、「ドナーの協力に感謝している。慎重かつ着実に進めていきたい」と話しています。
 国内では、卵子提供についての法律やガイドラインが整備されておらず、卵子提供で生まれてきた子供にどう知らせるのかや、安全面などで課題があります。卵子提供を巡っては、厚生労働省の審議会が2003年、法整備などを条件に、匿名の第三者からの無償提供を認めました。しかし、いまだに法整備されず、親子関係の法的整理や子供への支援体制も整っていません。
 このためOD-NETでは、卵子提供で生まれてきた子供が15歳を超えた時に望めば、体外受精を行った医療機関からドナーの名前や住所などを伝えるという独自のルールを定めています。
 また、安全面の課題もあります。ドナーから卵子を採取する際、排卵を促す薬で卵巣がはれたり、採取する時にの針で子宮が傷付いたりするなどの副作用が起きる可能性があります。OD-NETは卵子提供を実施する医療機関が責任を持って治療し、費用は卵子提供を受ける夫婦がすべて負担するとしていますが、後遺症が残った場合、どうするかなど課題が残ったままです。

 2013年5月13日(月)




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