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■iPS細胞、世界初の再生臨床応用へ 目の難病向け、国が実施を了承 [健康ダイジェスト]

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って目の網膜の一部を再生し、病気で失われた患者の視力を回復させる臨床研究について、厚生労働省の審査委員会は計画の内容を妥当だとして、実施を了承しました。
 来年夏にも、iPS細胞から作った網膜の組織を患者に移植する世界で初めての手術が行われる見通しになりました。マウスでの作製発表から7年で、iPS細胞は再生医療応用に向けて大きく動き出しました。
 この臨床研究は、「加齢黄斑変性」という重い目の病気の患者の網膜の一部をiPS細胞を使って再生し、失われた視力を回復させようというもので、神戸市にある理化学研究所などの研究チームが今年2月、厚生労働省に実施を申請しました。
 厚労省の審査委員会は26日、非公開で3回目の審議を行い、追加で提出を受けた安全性のデータも含め、倫理面や技術面から研究計画の妥当性を検討しました。その結果、計画の内容は妥当だとして計画書の一部修正を条件に臨床研究の実施を了承。
 26日で、国による研究計画の実質的な審査は終了し、研究チームは今後、厚生労働大臣の了承を得て、臨床研究に参加する患者を選ぶ作業に入ります。
 そして、来年夏にも加齢黄斑変性の患者に、iPS細胞から作った網膜の組織を移植する世界で初めての手術が、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらによって、神戸市にある先端医療センター病院で行われる見通しです。患者は6人を想定しており、募集は年内にも始まる見込み。
 対象は、重症の加齢黄斑変性の患者。日本人に多い滲出型(しんしゅつがた)と呼ばれるタイプでは、網膜の下にある「色素上皮」という組織に不要な血管などができ、網膜が押し上げられて視野が欠けたり、失明したりします。
 臨床研究が了承されたことについて、加齢黄斑変性の患者で作る「加齢黄斑変性友の会」の代表世話人の高橋英夫さんは、「やっとスタート台に立ったという印象だ。まだ臨床研究なので、多くの人に届くというゴールまでは遠いが、患者にとっては一筋の明るい光が見えてきた。加齢黄斑変性の患者は、治療が難しい中で、もっと見たい、見えるようになりたいという思いをずっと抱えて生活している。今回の研究で安全性を確認して、ぜひ次のステップに進んでほしい」と話していました。

 2013年6月26日(水)




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