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■脊髄損傷、国内初の幹細胞治療の試験開始 札幌医科大 [健康ダイジェスト]

 札幌医科大は10日、脊髄損傷患者の骨髄から取り出した幹細胞を培養し、患者の静脈に投与して脊髄の神経細胞を再生させる治療法の効果や安全性を確かめる臨床試験(治験)を始めると発表しました。
 幹細胞を使う治療はさまざまな病気での研究が進行中で、脊髄損傷での試験は国内初。10日から被験者の募集を始めています。
 発症してから時間が経過していても治療効果が期待でき、患者自身の細胞を使うため拒絶反応の心配が少なく、安全性が高いとされます。神経などになる「間葉系幹細胞」を使い、静脈に投与する医薬品(細胞製剤)として認可を目指す試験です。
 チームを率いる山下敏彦教授(整形外科)は、「脊髄損傷は事実上、有効な治療法がないが、この方法は多くの患者への効果が期待できる」と話しています。
 チームによると、患者の腰の骨から骨髄液を採取し、間葉系幹細胞を分離。約2週間で約1万倍に培養し、約1億個の細胞が入った40ミリリットルの細胞製剤を作り、30分から1時間かけて静脈に点滴で投与します。
 投与された細胞は脊髄の損傷部位に移動し、神経細胞に分化したり、タンパク質を分泌して傷付いた神経細胞を再生させたりします。神経が再生されると、手足が動かせるようになると見込まれるといいます。
 試験は損傷から14日以内で、脊髄のうち主に首の部分を損傷した20歳以上65歳未満の患者が対象。希望者は主治医を通じて札幌医科大に連絡します。2016年10月までに30人を目標に実施します。
 脊髄損傷は運動機能を失ったり、感覚まひを引き起こしたりします。国内で年間約5000人が脊髄損傷になり、累積患者数は推定約10万人。若年層で損傷し、重篤な後遺症が残ったまま生活する例が多くみられますが、神経が再生できれば、まひした体が動かせるようになる可能性があります。
 札幌医科大は脳梗塞患者の後遺症を改善するため、間葉系幹細胞を使った同様の臨床試験を昨年から行っています。

 2014年1月12日(日)

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