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■磁石を使ったひざの軟骨治療、効果を確認 広島大研究チーム [健康ダイジェスト]

 スポーツなどで傷んだひざの軟骨を治すため、磁石を使って幹細胞を患部に集める臨床研究について、広島大の研究チームは18日、患者の一部で効果を確認したと、大阪市で開かれている日本再生医療学会で発表しました。
 効果を確認したのは、昨年2月に治療を受けた広島県内の女子高生で、テニスを続けるうちに右膝の軟骨が欠損していました。約1年たった時点で、痛みや動きにくいなどの症状はほぼ消失したといいます。画像診断で、軟骨と見られる組織が患部に定着していることも確認できました。
 ひざの軟骨の治療で、患者自身の幹細胞を患部に入れて軟骨の再生を促す方法は、患部の位置によって手術が難しい場合がありました。
 越智光夫教授(整形外科学)らの研究チームは、幹細胞に鉄の粒子を加え、体外から磁石を使って患部に導く臨床研究を昨年から開始。まず、さまざまな組織になる幹細胞を本人の骨髄から採取して培養し、磁気共鳴画像装置(MRI)用の造影剤として使われる鉄の粒子を混ぜて、幹細胞の内部に鉄の粒子を取り込ませました。この幹細胞を右膝の関節に注射し、体外から約10分間当てた強力な磁石の力で軟骨の欠損部に集めました。鉄の粒子は2週間ほどで、体外に排出されたといいます。
 この臨床研究は、スポーツなどによる若者の軟骨損傷を主な対象とし、これまで5人が治療を受けました。
 長期的な安全性を確かめられれば、有用な治療法になると期待されています。
 軟骨は骨に加わる衝撃を吸収する働きがあり、損傷すると痛みが出ます。軟骨の修復力は弱く、いったん損傷すると元の状態に戻りにくいとされています。
 越智教授は、「人工関節ではなく、自分の組織で歩きたいという人は多い。まずは安全性を確保し、治療の普及を目指したい」と話しています。

 2016年3月22日(火)




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