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■運動で13種類のがんの発症リスク低減 アメリカの国立がん研究所が調査で特定 [健康ダイジェスト]

 余暇によく運動する人はそうでない人に比べ、13種類のがんにかかるリスクが有意に小さくなるとの調査結果をアメリカの国立がん研究所などがまとめ、アメリカの医学誌「JAMA」オンライン版に発表しました。
 国立がん研究所によると、運動などで体をよく動かす人ががんにかかりにくいことは、患者数が多い結腸がんや乳がんのほか、子宮内膜がんでもすでに示されていました。研究チームは今回、計144万人分のデータを含む複数の疫学研究を集めて解析し、骨髄性白血病、多発性骨髄腫、食道がん、肝がん、腎がん、胃噴門部がん、肺がん、直腸がん、膀胱がん、頭頸部がんの10種類のがんでも同様の結論を得ました。
 太っていたり、喫煙歴があったりしても、運動によるがんのリスク低減傾向に大きな違いはみられなかったといいます。
 研究チームは、アメリカおよびヨーロッパの12件の研究データを統合し、19~98歳の成人144万人のデータベースを作成。自己申告された運動(ウォーキング、ランニング、水泳など)の内容によって、26種類のがんのリスクに差がみられるかどうかを検討しました。今回の研究では、仕事や家事を除く余暇時間に、健康向上のために自主的に行う運動に焦点が当てられました。
 検討したがんのうち、半数のリスク低減に運動との関連がみられ、がんリスクは全体で7パーセント低減し、リスク低減の範囲は42パーセント(食道がん)から10パーセント(乳がん)におよびました。結腸がんと肺がんは、それぞれ16パーセント、26パーセント低減しました。
 なお、非ホジキンリンパ腫、甲状腺がん、胃がん、軟部腫瘍、膵臓がん、リンパ性白血病、卵巣がん、脳腫瘍には、運動量との関連が認められませんでした。
 また、前立腺がんと悪性黒色腫は、運動によって発症率がそれぞれ約5パーセント、27パーセント上昇していたことがわかりました。悪性黒色腫は屋外で過ごす時間の増加と関連しているとみられますが、前立腺がんについては今のところ、運動で発症率が高まる原因は不明。
 研究論文をまとめた著者らは、「今回、運動ががん予防に役立つ理由は明らかにしていないが、運動をするとさまざまながんとの関連が認められているホルモンの値が低下するほか、インスリンおよびインスリン様増殖因子の値も制御される」と指摘し、「運動する人の細胞は酸化ストレスを受けにくく、DNA損傷を修復する能力も高い。食道がんを始めとする致死率の高いがんに大幅なリスク低減が認められたことは非常に喜ばしい」と説明しています。
 適度な運動を日常生活に取り入れることは、がんの予防にも効果的といえるでしょう。

 2016年8月23日(火)

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