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■大阪大、ロタウイルスの人工合成に成功 新ワクチン開発に期待 [健康ダイジェスト]

 乳幼児を中心に下痢や嘔吐(おうと)、発熱を引き起こすロタウイルスを人工的に合成することに初めて成功したと、大阪大学の小林剛准教授(ウイルス学)の研究チームが27日までに、アメリカの科学アカデミー紀要電子版に発表しました。藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)との共同研究。
 遺伝子を改変して、増殖しにくいロタウイルスの作製にも成功しており、新たなワクチンや特効薬の開発につながる可能性があります。
 ロタウイルスは感染力が非常に強く、5歳までにほぼすべての子供が感染し、発症者は国内で年間約80万人と推定されています。免疫がない子供は重症化しやすく、世界では年間約50万人が死亡しているとされます。
 病原性が低下したウイルスを投与して免疫反応を誘導するワクチンはすでに普及していますが、乳児向けのワクチンは腸への副作用の可能性が指摘され、無料で受けられる定期接種化は検討が続いています。また、ロタウイルスは遺伝情報が変わりやすく、ワクチンが効かないタイプの出現も懸念されています。
 ウイルスの人工合成はこれまで、薬やワクチンの開発のためにポリオウイルスやインフルエンザウイルスなどで成功していますが、ロタウイルスは設計図となる11個の遺伝情報の塊を細胞に入れても、うまく作ることができませんでした。
 小林准教授らは、さまざまなウイルスの研究を進める中で、ウイルスの増殖を促す働きを持つ2種類のタンパク質に着目。これらをロタウイルスの遺伝情報と一緒に細胞に加えて4、5日培養すると、ロタウイルスが効率的に合成できることを突き止めました。
 研究チームの金井祐太・特任講師は、「人工合成によって遺伝子を変えたり、働きを細かく調べたりできる。より安全で効果的なワクチン開発の後押しになる」と話しています。

 2017年2月27日(月)

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