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■新出生前診断、実施する施設拡大へ 臨床研究を終了し一般診療に [健康ダイジェスト]

 妊婦の血液で胎児の染色体異常を調べる新出生前診断(NIPT)について、日本産科婦人科学会は3日、全国約90の認定医療機関で実施している臨床研究を終了し、一定の条件を満たした病院での一般診療とすることを決定しました。  
 検査結果を説明する支援体制の整備など病院側が満たすべき条件は、変わりません。臨床研究の手続きを避けていた医療機関の中には、実施に踏み切る所が出て施設拡大にもつながりそうです。
 新出生前診断は妊婦の血液を流れる胎児のDNAから、ダウン症、エドワーズ症候群、パトー症候群を引き起こす3つの染色体異常を判別します。採血だけで簡便に判別できますが、中絶などの命の選別につながりかねないという懸念があります。
 日本産科婦人科学会は2013年に、新出生前診断に関する指針を作成。病院が詳細な計画を立て倫理審査などをすることを条件とする臨床研究として、大学病院や総合病院など89施設で実施してきました。昨年9月までの4年半でに5万1139人の妊婦が新出生前診断を受け、胎児の染色体異常が確定した700人のうち97%に当たる654人が人工妊娠中絶を選択しました。
 学会は3日の理事会で、新出生前診断を臨床研究での実施に限定していた条件をなくする方針を決めました。遺伝子検査の内容を説明する専門家「遺伝カウンセラー」による支援体制の整備や、羊水検査などを実施できるといった病院が満たすべき条件は、維持するといいます。
 対象者についても、35歳以上とする年齢制限や、超音波検査などで胎児の染色体異常が示唆された場合などの条件をすべて維持する見通し。20万円を超える検査費用は保険適用されず、患者の自己負担です。
 学会は今後、実際に実施施設を認定する日本医学会と協議し、新たな条件に変更する時期などを決めます。背景には、学会の認定を受けずに検査を実施している民間の医療機関の存在もあります。このような検査は法律での制限はなく、学会が作成した指針に沿って医療機関が実施していますが、指針に強制力はなく、認定を受けていない民間の医療機関では、専門家による十分なサポート体制がありません。妊婦が混乱するもとで、中絶の増加につながる可能性があります。
 日本産科婦人科学会の久具宏司倫理委員会委員は3日の理事会後に記者会見し、「検査への理解も進みつつあり、今回の変更で少しでも実施施設が増えてほしい」と述べ、実施施設のない空白域を減らすためにも拡大に踏み切ったことを明らかにしました。

 2018年3月4日(日)

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