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■富士フイルム、PCR検査を自動化 時間を大幅短縮 [健康ダイジェスト]

 富士フイルムホールディングスは新型コロナウイルスの感染の有無について、検体を装置にセットするだけで全自動で調べられるPCR検査用の試薬を開発しました。検査時間も従来の4~6時間から約75分に短縮できます。5月内に国内向けに発売します。
 PCR検査は大半が手作業ですが、熟練した検査員が足りていないとされています。自動化が進めば、不足が指摘される検査件数の拡大につながる可能性があります。
 全自動検査装置はすでに数十施設の大病院に導入され、結核の検査などに使われています。今回の試薬を使えば、これらの全自動検査装置で新型コロナのPCR検査ができます。1度の検査で4人分を調べられます。
 PCR検査は対象者から鼻や喉の奥の粘膜(検体)を採取し、試薬で遺伝子を増やして判定します。開発した試薬は検体やプラスチック製のチップを装置にセットするだけで、自動的に遺伝子を検出・測定します。チップに半導体製造技術を応用した微細な溝を設けたため、全自動でできます。
 PCR検査を巡っては、島津製作所が約1時間ですむキットを開発するなど競争が進んでいます。ただ、人を介さない自動検査では、富士フイルムの技術が最速水準のもよう。スイス製薬大手ロシュの全自動装置向けの試薬は、検査に約3時間を要します。
 試薬と合わせて自動のPCR検査に欠かせない全自動装置は、プレシジョン・システム・サイエンスも開発しています。フランスなどで展開しており、日本でも医療機器として販売できるよう手続きを進めています。
 新型コロナウイルスで停滞する経済活動の再開に向けて各国が出口戦略を探る中、検査の拡大が重要になってきています。新型コロナウイルスに関する政府の専門家会議が4日公表した資料では、人口10万人当たりのPCR検査数は日本の187件に対し、主要国は数千件でした。
 富士フイルムは、「全自動化は熟練した技術を必要とせず、検査時間を最小限にし、医療従事者の感染リスクを下げることができる。新たな試薬によって、医療機関の負担軽減や検査件数の拡大に貢献したい」と話しています。

 2020年5月9日(土)

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