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■重症者の半数が退院3カ月後にも息苦しさ、筋力低下77% コロナ後遺症で判明 [健康ダイジェスト]

 新型コロナウイルス感染症の重症者では、退院から3カ月後も半数の人で肺の機能が低下したままで、息苦しさを感じていたことが、厚生労働省研究班の調査で判明しました。
 16日にあった厚労省の専門家組織の会合で、調査結果の概要が示されました。
 日本呼吸器学会理事長の横山彰仁・高知大教授が代表の研究班は、血液中の酸素濃度が下がった中等症以上の患者の肺に残る影響を調べ、中間集計を報告しました。
 昨年9月~今年5月に各地の病院で入院した患者計512人(平均62歳)に、退院から3カ月後、肺活量や1秒間にどれだけ息を吐けるかといった肺機能の検査を受けてもらいました。
 症状が重くなるほど、肺の機能が回復していない傾向がみられ、肺から血中に酸素を取り込む「肺拡散能」でみると、健康な人の検査値の80%に届かない人が、人工呼吸器を使うほど重症だった人では52%に上りました。酸素投与を必要とした中等症だった人では27%でした。「肺活量」も、重症者の26%が健康な人の値の80%に届きませんでした。
 自覚症状を調べると、重症だった人では77%が筋力低下を感じ、50%が息苦しさ、34%がせきが続いていると感じていました。中等症だった人でも30%が息苦しさを訴え、筋力低下が53%にみられました。
 重症、中等症だった人の2~3割に倦怠(けんたい)感がみられたものの、入院中には5~7割にみられたことに比べれば、改善の兆しがみられるといいます。
 CT(コンピューター断層撮影)の肺画像が入院時のものと比べられる353人を調べると、3カ月後も54%で、すりガラス状の影などの変化がみられました。
 肺炎の痕跡とみられ、横山教授は「通常の細菌性肺炎なら、こうした影は3カ月後にはほとんど見えなくなる。肺炎の影響が長引く新型コロナの特徴がはっきり現れている」と指摘しています。
 海外の先行研究では、こうした影響も長期的には改善する傾向を示しているといいます。研究班は今後も3カ月ごとに検査を継続します。
 「どういった人で症状が改善したり、長引きやすかったりするのか、理由を明らかにしていきたい」と横山教授は話しています。
 また、金沢医科大の三輪高喜教授が代表の研究班では2~5月、入院中やホテル療養中の患者251人に、味覚・嗅覚(きゅうかく)の自覚症状を尋ねました。37%が味覚と嗅覚に障害があると答え、20%は嗅覚のみ、4%は味覚のみに障害があると回答しました。
 119人には、実際に味覚・嗅覚がどれだけ低下しているか、検査キットで調べました。
 嗅覚障害を自覚している人の多くは、嗅覚検査が正常値以下でしたが、味覚障害を自覚している人の多くは、味覚検査の結果が正常でした。
 多くの味覚障害は、嗅覚障害によって、食べ物の香りがわからず、味の感度が落ちる風味障害の可能性が高いといいます。
 さらに退院から1カ月後の状況も調べると、嗅覚障害の改善率は60%、味覚障害では84%でした。
 研究班は「味覚・嗅覚障害の症状は、感染症の治癒に伴っておおよその人で早急に消失する」と話しています。

 2021年6月18日(金)




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