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■サル痘の治療薬候補3種類を発見 国立感染症研究所など [健康ダイジェスト]

 ヨーロッパやアメリカなどで感染が広がっているウイルス性の感染症「サル痘」について、国立感染症研究所などの研究チームは、ウイルスを減らす効果が期待できる既存薬を見付けたとの研究成果をまとめました。真菌が引き起こす肺炎の治療薬など3種類の薬だといいます。研究チームの岩見真吾・名古屋大学教授(数理科学)は、「治療法を見付ける臨床研究の参考にしてほしい」と話しています。
 研究成果は査読(別の研究者による審査)を受ける前の論文としてウェブサイトで公表されました。
 サル痘を巡っては、世界保健機関(WHO)が7月23日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当すると宣言。以前からの流行地であるアフリカ以外でも、死者が確認されるなどしています。国内では、厚生労働省が7月25日に初めての患者を確認したと発表しました。
 感染した場合、ヨーロッパなどでは天然痘の治療薬「テコビリマット」が使われています。しかし、ほかの既存薬の有効性は不明でした。
 そこで、研究チームは国内で保管されていたサル痘のウイルスに感染させたサル由来の培養細胞に、国内外ですでに承認されている抗ウイルス薬など132種類を投与する実験をしました。薬が効いていればウイルスが増えず細胞が死滅しないといいます。
 実験を繰り返したところ、真菌の一種が原因となるニューモシスチス肺炎の治療薬「アトバコン」とマラリアの治療薬「メフロキン」、新型コロナウイルス感染症の治療薬「モルヌピラビル」の3種は、細胞が死滅するのを効果的に防ぎました。
 一方、サル痘感染者のウイルス量の変化を示した実際のデータと、この3種の薬を服用した時の薬の血中濃度のデータを使い、人への薬の効果をコンピューター上で模擬実験しました。
 その結果、アトバコンは天然痘の治療薬と同様の効果を示しました。しかし、メフロキンとモルヌピラビルは高い効果を示さず、研究チームは「承認されている用法と用量では、高い効果を発揮しない可能性がある」とみています。
 岩見教授は、「細胞実験に模擬実験を組み合わせることで、有効性を高い精度で推定できる」と話しました。今後、別の既存薬も調べるとともに、動物実験も進めたいといいます。

 2022年8月11日(木)

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