■病気 潰瘍性大腸炎直腸炎型(直腸炎) [病気(か)]
直腸の粘膜に炎症が起こって、ただれる疾患
潰瘍(かいよう)性大腸炎直腸炎型とは、大腸の最終部に当たる直腸の粘膜に炎症が起こり、ただれる疾患。潰瘍性大腸炎のうちで、直腸に限って発生する型であり、直腸炎とも呼ばれます。
この直腸炎型など潰瘍性大腸炎の原因については、まだよくわかっていません。 細菌やウイルスの感染、ある種の酵素の不足、ストレス、体質が関係していると見なされ、近年では自己免疫異常説がかなり有力です。
私たちの体には、細菌などの有害なものを排除する免疫の仕組みがあります。この免疫の仕組みは腸の中でも働いていて、食べ物が腸を通過する際には、栄養分のように体に必要なものだけを腸の粘膜から吸収し、不要なものや有害なものは吸収せずに、そのまま腸から通過させて便として排出します。
ところが、免疫機構の異常が大腸に生じると、不要なものまで腸の粘膜から吸収されるようになる結果、大腸の粘膜に炎症が起こって潰瘍ができると考えられています。
また、直腸炎型など潰瘍性大腸炎が増加している背景には、大腸がんと同じように、食生活の欧米化、特に脂肪の多い食事の取りすぎがあると推測されます。
潰瘍性大腸炎は最初、病変が直腸に限ってできる潰瘍性大腸炎直腸炎型、すなわち直腸炎として起こります。放置すると、直腸からS状結腸に渡って病変が広がって直腸S状結腸炎型となります。さらに、下行結腸へと広がる左側大腸炎型となり、横行結腸から上行結腸へと進んでいき、全大腸炎型になります。
潰瘍性大腸炎直腸炎型、すなわち直腸炎は最も軽く、全大腸炎型が最も重症です。
潰瘍性大腸炎直腸炎型の主な症状は、血便、粘血便、粘血膿便(のうべん)。直腸の一部のみに病変が限られている時は、排便の際に少量の出血がみられる程度のため、内痔核(ないじかく)からの出血とはっきり区別が付けにくいこともあります。直腸に強い病変が起こると、渋り腹という絶えず便意があるのに通じのよくない下痢状態になり、排便した後もすっきりせず、何回でもトイレに行きます。
時に体重の減少、食欲不振、貧血などの全身症状を伴うことがあります。
潰瘍性大腸炎直腸炎型の検査と診断と治療
血便、粘血便、下痢が認められた場合は、消化器科、消化器外科、肛門(こうもん)科を受診します。胃腸科では、十分な診断ができない場合があります。
潰瘍性大腸炎のうちで、直腸に限って発生する潰瘍性大腸炎直腸炎型、すなわち直腸炎では、直腸鏡によるS状結腸までの検査でおおよその診断がつきます。さらに原因を確定するには、全大腸内視鏡検査、糞便(ふんべん)の検査、腹部のX線検査、バリウムを肛門から注入してX線撮影をする注腸検査、直腸の組織の一部を採取して調べる生検が必要になります。
一般療法としては、まず精神的、肉体的な安静を保ち、消化吸収がよく、栄養価の高い食事をとります。豆腐や白身の魚、鶏(にわとり)のささ身などは最適です。乳製品や高脂肪食は避けます。
薬物療法としては、軽症ではサラゾスルファピリジンというサルファ剤を内服薬、または座薬として用います。粘膜の潰瘍に有効なサルファ剤は、特効的に効果を発揮することがあります。中等症では副腎(ふくじん)皮質ステロイド剤の内服薬、座薬が用いられます。重症では抗生物質、輸液、輸血が必要なこともあります。中等症、重症では、入院治療を要します。
日常生活での注意としては、規則正しい生活を心掛け、アルコールを控え、普段から食事療法を心掛けることが必要です。
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潰瘍(かいよう)性大腸炎直腸炎型とは、大腸の最終部に当たる直腸の粘膜に炎症が起こり、ただれる疾患。潰瘍性大腸炎のうちで、直腸に限って発生する型であり、直腸炎とも呼ばれます。
この直腸炎型など潰瘍性大腸炎の原因については、まだよくわかっていません。 細菌やウイルスの感染、ある種の酵素の不足、ストレス、体質が関係していると見なされ、近年では自己免疫異常説がかなり有力です。
私たちの体には、細菌などの有害なものを排除する免疫の仕組みがあります。この免疫の仕組みは腸の中でも働いていて、食べ物が腸を通過する際には、栄養分のように体に必要なものだけを腸の粘膜から吸収し、不要なものや有害なものは吸収せずに、そのまま腸から通過させて便として排出します。
ところが、免疫機構の異常が大腸に生じると、不要なものまで腸の粘膜から吸収されるようになる結果、大腸の粘膜に炎症が起こって潰瘍ができると考えられています。
また、直腸炎型など潰瘍性大腸炎が増加している背景には、大腸がんと同じように、食生活の欧米化、特に脂肪の多い食事の取りすぎがあると推測されます。
潰瘍性大腸炎は最初、病変が直腸に限ってできる潰瘍性大腸炎直腸炎型、すなわち直腸炎として起こります。放置すると、直腸からS状結腸に渡って病変が広がって直腸S状結腸炎型となります。さらに、下行結腸へと広がる左側大腸炎型となり、横行結腸から上行結腸へと進んでいき、全大腸炎型になります。
潰瘍性大腸炎直腸炎型、すなわち直腸炎は最も軽く、全大腸炎型が最も重症です。
潰瘍性大腸炎直腸炎型の主な症状は、血便、粘血便、粘血膿便(のうべん)。直腸の一部のみに病変が限られている時は、排便の際に少量の出血がみられる程度のため、内痔核(ないじかく)からの出血とはっきり区別が付けにくいこともあります。直腸に強い病変が起こると、渋り腹という絶えず便意があるのに通じのよくない下痢状態になり、排便した後もすっきりせず、何回でもトイレに行きます。
時に体重の減少、食欲不振、貧血などの全身症状を伴うことがあります。
潰瘍性大腸炎直腸炎型の検査と診断と治療
血便、粘血便、下痢が認められた場合は、消化器科、消化器外科、肛門(こうもん)科を受診します。胃腸科では、十分な診断ができない場合があります。
潰瘍性大腸炎のうちで、直腸に限って発生する潰瘍性大腸炎直腸炎型、すなわち直腸炎では、直腸鏡によるS状結腸までの検査でおおよその診断がつきます。さらに原因を確定するには、全大腸内視鏡検査、糞便(ふんべん)の検査、腹部のX線検査、バリウムを肛門から注入してX線撮影をする注腸検査、直腸の組織の一部を採取して調べる生検が必要になります。
一般療法としては、まず精神的、肉体的な安静を保ち、消化吸収がよく、栄養価の高い食事をとります。豆腐や白身の魚、鶏(にわとり)のささ身などは最適です。乳製品や高脂肪食は避けます。
薬物療法としては、軽症ではサラゾスルファピリジンというサルファ剤を内服薬、または座薬として用います。粘膜の潰瘍に有効なサルファ剤は、特効的に効果を発揮することがあります。中等症では副腎(ふくじん)皮質ステロイド剤の内服薬、座薬が用いられます。重症では抗生物質、輸液、輸血が必要なこともあります。中等症、重症では、入院治療を要します。
日常生活での注意としては、規則正しい生活を心掛け、アルコールを控え、普段から食事療法を心掛けることが必要です。
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タグ:病気(か) 宿便性大腸穿孔 潰瘍性大腸炎直腸炎型(直腸炎) イレウス(腸閉塞) 好酸球性胃腸炎 好酸球性消化管疾患 食道バレット上皮 胃カルチノイド ガストリノーマ 細菌性下痢症 細菌性急性胃腸炎 胃マルトリンパ腫 急性大腸炎(大腸カタル) 慢性胃炎 潰瘍性大腸炎 スキルス胃がん 過敏性腸症候群 食中毒 胃潰瘍 胸焼け 胃がん 急性虫垂炎 食道がん 偽膜性腸炎 感染性胃腸炎 赤痢 十二指腸潰瘍 潰瘍 逆流性食道炎 胃食道逆流症 急性腸炎 急性大腸炎 アメーバ赤痢 慢性腹膜炎 ロタウイルス腸炎 食道炎 急性腹膜炎 胃の不快症状 食道裂孔ヘルニア 慢性腸炎 吸収不良症候群 腸結核 胃アトニー 胃酸過多症 急性食道炎 胃ポリープ 胃粘膜下腫瘍 幽門狭窄 臍炎 胃切除後障害 胃神経症(神経性胃炎) マロリー・ワイス症候群 低酸症 急性胃炎 機能性胃腸症(機能性ディスペプシア) 食道静脈瘤 食道憩室 大腸憩室 食道異物 食道神経症(ヒステリー球) 急性出血性腸炎 薬剤性大腸炎 ヒステリー球(食道神経症) 蛋白漏出性胃腸症
■病気 過敏性血管炎 [病気(か)]
薬物、ウイルスなどがアレルギーの原因となって、細い血管に炎症が発生
過敏性血管炎とは、薬物やウイルス、細菌感染、化学物質などにアレルギー反応を起こすことが原因となって、全身の細い血管に炎症が起こる疾患。細動脈、毛細血管などに限局的に急性、壊死(えし)性の炎症が起こります。
種々の膠原(こうげん)病、悪性腫瘍(しゅよう)、炎症性疾患、混合性クリオグロブリン血症などでも過敏性血管炎を生じ、はっきりした原因がつかめないものもあります。男女差や好発年齢はありませんが、小児にみられるシェーンライン・ヘノッホ紫斑(しはん)病は、この疾患の亜型とされています。
下肢や腹、腰などの下半身を主に、腕、胸、背部などの皮膚表面に、少し硬めのしこりのような紫斑ができます。点状出血、皮膚潰瘍(かいよう)、水ぼうそう、じんましんなどの症状がみられることもあります。紫斑などが消失した後や、慢性化、再発したケースでは、色素が沈着することもあります。 皮膚症状が目立ちますが、発熱や関節痛、筋肉痛、腹痛、倦怠(けんたい)感、体重減少などの全身症状とともに、腎(じん)臓や肝臓、肺、腸管、脳神経などの内臓が侵されることもあります。
過敏性血管炎の検査と診断と治療
治療では、原因となった薬剤などを取り除き、軽症の場合は特に何もせず自然に治るのを待ちます。中等症で皮膚に病変が限定されている場合は、対症療法が行われます。
重症で全身症状が激しく、皮膚以外の臓器障害ある場合は、中等度から大量の副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の投与が行われます。血尿、蛋白(たんぱく)尿に対しては、抗血小板薬、血管強化剤の投与が行われます。腎不全に対しては、一般の腎不全に準じた治療が行われます。
過敏性血管炎とは、薬物やウイルス、細菌感染、化学物質などにアレルギー反応を起こすことが原因となって、全身の細い血管に炎症が起こる疾患。細動脈、毛細血管などに限局的に急性、壊死(えし)性の炎症が起こります。
種々の膠原(こうげん)病、悪性腫瘍(しゅよう)、炎症性疾患、混合性クリオグロブリン血症などでも過敏性血管炎を生じ、はっきりした原因がつかめないものもあります。男女差や好発年齢はありませんが、小児にみられるシェーンライン・ヘノッホ紫斑(しはん)病は、この疾患の亜型とされています。
下肢や腹、腰などの下半身を主に、腕、胸、背部などの皮膚表面に、少し硬めのしこりのような紫斑ができます。点状出血、皮膚潰瘍(かいよう)、水ぼうそう、じんましんなどの症状がみられることもあります。紫斑などが消失した後や、慢性化、再発したケースでは、色素が沈着することもあります。 皮膚症状が目立ちますが、発熱や関節痛、筋肉痛、腹痛、倦怠(けんたい)感、体重減少などの全身症状とともに、腎(じん)臓や肝臓、肺、腸管、脳神経などの内臓が侵されることもあります。
過敏性血管炎の検査と診断と治療
治療では、原因となった薬剤などを取り除き、軽症の場合は特に何もせず自然に治るのを待ちます。中等症で皮膚に病変が限定されている場合は、対症療法が行われます。
重症で全身症状が激しく、皮膚以外の臓器障害ある場合は、中等度から大量の副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の投与が行われます。血尿、蛋白(たんぱく)尿に対しては、抗血小板薬、血管強化剤の投与が行われます。腎不全に対しては、一般の腎不全に準じた治療が行われます。
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■病気 回虫症 [病気(か)]
回虫が小腸に寄生することで引き起こされる寄生虫病
回虫症とは、線虫類に属する回虫が小腸に寄生することで、引き起こされる寄生虫病。
回虫は世界中どこにでもいる虫で、日本でも年齢や性別、住んでいる場所に関係なく感染することがあります。日本国内での感染率は現在、1パーセント未満と考えられています。昭和30~40年ぐらいまでは、40パーセント程度といわれていました。
感染が成立するケースでは、糞便(ふんべん)に混じって人体から出た虫卵が、次の宿主(しゅくしゅ)への感染能力を育てるための期間を外界で過ごした後、無農薬野菜や不潔な手指を介して再び、口から人体へ入ります。この虫卵は小腸で孵化(ふか)し、出てきた幼虫は腸の粘膜にもぐり込んで、血液やリンパ液の流れに乗って体内に散っていきます。
この後、成長しながら体内を移動し、最終的には肺を通過して気管内に入り、たんに紛れて口へ逆上り、そして飲み込まれて食道を下り小腸に戻ってきて、そこで成熟します。十分に成熟した成虫は、乳白色から淡紅色の糸状で、長さは20〜35センチ程度、太さは0.5センチ程度。メスのほうが大きくなり、産卵を開始します。寿命は1〜2年。
回虫の種類によっては、小腸で孵化して出てきた幼虫が腸の粘膜にもぐり込み、そこで成長して腸内に戻ってくるだけで、体内を移動しないものもあります。
比較的穏健な寄生虫で腸の粘膜に食いついて血液、体液を摂取することはないため、無症状のものも少なくありません。ただし、胆管や膵(すい)管の中に入り込むことが時々あり、この時は腹痛、下痢などの胃腸症状がみられます。無症状だったのに、突然、口から回虫を吐き出したり、肛門(こうもん)から回虫が出てくることもあります。
特異な例として、犬や猫あるいはアライグマなどの回虫が誤って人に取り込まれた時には、不適切な宿主の体内に入った成虫や幼虫の臓器への迷入や移動で、眼症状、神経症状、肺炎、腸閉塞(イレウス)、胆道炎、循環器症状が出現することもあります。
回虫症の検査と診断と治療
回虫症の症状に気付いたら、内科を受診します。同じ食事をしている人は同様に感染している可能性がありますので、同居の家族も内科を受診し、血液や便を検査して感染の有無を確かめることが必要です。
医師による診断では、検便をして便の中に虫卵が検出されれば、容易に診断がつきます。ただし、最近は回虫が1匹だけという例が増えており、検便しても虫卵を検出できないことが多くなっています。虫を口から吐き出したり、肛門から排出した時は、虫の形態で回虫と診断します。胃や腸の中から、乳白色から淡紅色で糸状の大きな虫が出てきた時には、まず回虫と考えて間違いありません。
近年では、胃や十二指腸の内視鏡検査で偶然、回虫を発見することが多くなっています。また、健康診断などの血液検査で偶然、好酸球という白血球が増えていることがわかった時には、抗体と便の検査を行います。
治療では、線虫駆除薬のパモ酸ピランテルの内服が主で、ほかに対症的に輸液、手術なども行われることがあります。
予防は、完全な糞便処理、集団検便と集団駆虫の実施、野菜類や手指などの洗浄、清潔などです。犬や猫の回虫症に気付いた場合には、獣医師を受診し、健康状態に応じて極力早い段階での虫下しが望まれます。
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回虫症とは、線虫類に属する回虫が小腸に寄生することで、引き起こされる寄生虫病。
回虫は世界中どこにでもいる虫で、日本でも年齢や性別、住んでいる場所に関係なく感染することがあります。日本国内での感染率は現在、1パーセント未満と考えられています。昭和30~40年ぐらいまでは、40パーセント程度といわれていました。
感染が成立するケースでは、糞便(ふんべん)に混じって人体から出た虫卵が、次の宿主(しゅくしゅ)への感染能力を育てるための期間を外界で過ごした後、無農薬野菜や不潔な手指を介して再び、口から人体へ入ります。この虫卵は小腸で孵化(ふか)し、出てきた幼虫は腸の粘膜にもぐり込んで、血液やリンパ液の流れに乗って体内に散っていきます。
この後、成長しながら体内を移動し、最終的には肺を通過して気管内に入り、たんに紛れて口へ逆上り、そして飲み込まれて食道を下り小腸に戻ってきて、そこで成熟します。十分に成熟した成虫は、乳白色から淡紅色の糸状で、長さは20〜35センチ程度、太さは0.5センチ程度。メスのほうが大きくなり、産卵を開始します。寿命は1〜2年。
回虫の種類によっては、小腸で孵化して出てきた幼虫が腸の粘膜にもぐり込み、そこで成長して腸内に戻ってくるだけで、体内を移動しないものもあります。
比較的穏健な寄生虫で腸の粘膜に食いついて血液、体液を摂取することはないため、無症状のものも少なくありません。ただし、胆管や膵(すい)管の中に入り込むことが時々あり、この時は腹痛、下痢などの胃腸症状がみられます。無症状だったのに、突然、口から回虫を吐き出したり、肛門(こうもん)から回虫が出てくることもあります。
特異な例として、犬や猫あるいはアライグマなどの回虫が誤って人に取り込まれた時には、不適切な宿主の体内に入った成虫や幼虫の臓器への迷入や移動で、眼症状、神経症状、肺炎、腸閉塞(イレウス)、胆道炎、循環器症状が出現することもあります。
回虫症の検査と診断と治療
回虫症の症状に気付いたら、内科を受診します。同じ食事をしている人は同様に感染している可能性がありますので、同居の家族も内科を受診し、血液や便を検査して感染の有無を確かめることが必要です。
医師による診断では、検便をして便の中に虫卵が検出されれば、容易に診断がつきます。ただし、最近は回虫が1匹だけという例が増えており、検便しても虫卵を検出できないことが多くなっています。虫を口から吐き出したり、肛門から排出した時は、虫の形態で回虫と診断します。胃や腸の中から、乳白色から淡紅色で糸状の大きな虫が出てきた時には、まず回虫と考えて間違いありません。
近年では、胃や十二指腸の内視鏡検査で偶然、回虫を発見することが多くなっています。また、健康診断などの血液検査で偶然、好酸球という白血球が増えていることがわかった時には、抗体と便の検査を行います。
治療では、線虫駆除薬のパモ酸ピランテルの内服が主で、ほかに対症的に輸液、手術なども行われることがあります。
予防は、完全な糞便処理、集団検便と集団駆虫の実施、野菜類や手指などの洗浄、清潔などです。犬や猫の回虫症に気付いた場合には、獣医師を受診し、健康状態に応じて極力早い段階での虫下しが望まれます。
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■病気 カンピロバクター食中毒 [病気(か)]
飲用水や鶏肉などに含まれるカンピロバクター菌による食中毒
カンピロバクター食中毒とは、主にカンピロバクター・ジェジュニ、まれにカンピロバクター・コリという細菌によって起こる食中毒。近年、多く起こる食中毒として注目されています。
カンピロバクター菌は昔から、食中毒の原因菌として知られていましたが、便からの適切な培養法がなかったために、発生状況がよくわかりませんでした。近年、比較的簡単な方法で検出できるようになってみると、食あたりと思われる散発性腸炎の中では最も多いことがわかってきました。
カンピロバクター食中毒の発生は、その他の細菌による食中毒がピークを示す7〜9月よりやや早い、5〜7月にピークがみられ、冬期にも発生が認められています。特に5歳未満の小児に発症の頻度が高く、年長児にも発症頻度の第2のピークがあります。
原因食としては、最も多い鶏肉を始めとして、豚肉、牛肉、馬肉などが知られています。とりわけ、生あるいは加熱があまりなされていないユッケ、鳥わさ、レバ刺しなどは、食中毒を起こす可能性が高いことで知られています。鶏肉の場合、加熱不十分なバーベキュー、鶏鍋(なべ)、焼き鳥などが原因となることもあります。
井戸水や湧水(ゆうすい)、簡易水道水など消毒不十分な飲用水が原因となって、集団食中毒を起こすこともあります。犬、猫などのペットの腸管内にもカンピロバクター菌が存在するため、小児ではペットとの接触によって直接感染することもあります。
1〜7日、平均2〜3日程度の比較的長い潜伏期間を経て、一般の感染型食中毒と同じように、吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛、発熱などの症状が現れます。下痢は水様便で、赤痢を思わせるような粘血便をみることも少なくありません。
このほか、頭痛、悪寒、倦怠(けんたい)感、筋肉痛などが現れることもあり、初期症状は風邪と間違われることもあります。
食中毒症状は通常、1週間以内に治まります。時には症状が長引くこともあり、まれに虫垂炎や腹膜炎などの下痢症以外の症状がみられることもあります。また、治療をしない場合には、腸管内に菌が生き残り保菌者となることがあるので、注意が必要です。
下痢、嘔吐などの回数が多くなると、特に小児や高齢者では、脱水症状が強くなることがしばしばあります。脱水症状とは、体内の水分が不足するために全身のバランスが崩れ、心臓などの循環器、腎臓(じんぞう)、肝臓の働きが悪くなることで、ひどくなったまま放置すればショック状態となり、死に至ることもあります。
カンピロバクター食中毒の検査と診断と治療
食中毒によって乳幼児や高齢者の脱水症状が強くなった場合には、内科、消化器科、胃腸科、小児科の専門医を受診します。
医師は急性の中毒症状から感染を疑いますが、カンピロバクター食中毒と確定するには、実際に糞便(ふんべん)などから原因となっている菌を分離することが必要です。
感染初期や軽症の場合は、ブドウ糖液やリンゲル液などの電解質液の点滴、吐き気や嘔吐を止める鎮吐剤の投与、あるいは整腸剤の投与による対症療法を行います。多くの場合は点滴などで自然軽快しますが、重症化した場合は、エリスロマイシン、ホスホマイシンなどのマクロライド系抗菌剤の投与による治療を行います。
カンピロバクター食中毒を予防するためには、食材の中で最も高率にカンピロバクター菌が検出される鶏肉を、生あるいは加熱不十分で食べることは控えるべきです。熱や乾燥に弱いので、まな板、包丁、ふきんなど調理器具は使用後によく洗浄し、熱湯消毒して乾燥させます。
また、食肉からサラダなどへの二次汚染を防ぐために、生肉を扱う調理器具と調理後の料理を扱う器具は区別し、生肉を扱った後は十分に手指を洗浄します。菌は低温に強くて4℃でも長期間生存するので、食品の長期間の保存はできるだけ避けます。
野生動物の糞便などで汚染される可能性のある井戸水や湧水、簡易水道水など消毒不十分な飲用水を飲まない、小児では犬や猫などのペットの糞便に触らないなどの注意も必要です。
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カンピロバクター食中毒とは、主にカンピロバクター・ジェジュニ、まれにカンピロバクター・コリという細菌によって起こる食中毒。近年、多く起こる食中毒として注目されています。
カンピロバクター菌は昔から、食中毒の原因菌として知られていましたが、便からの適切な培養法がなかったために、発生状況がよくわかりませんでした。近年、比較的簡単な方法で検出できるようになってみると、食あたりと思われる散発性腸炎の中では最も多いことがわかってきました。
カンピロバクター食中毒の発生は、その他の細菌による食中毒がピークを示す7〜9月よりやや早い、5〜7月にピークがみられ、冬期にも発生が認められています。特に5歳未満の小児に発症の頻度が高く、年長児にも発症頻度の第2のピークがあります。
原因食としては、最も多い鶏肉を始めとして、豚肉、牛肉、馬肉などが知られています。とりわけ、生あるいは加熱があまりなされていないユッケ、鳥わさ、レバ刺しなどは、食中毒を起こす可能性が高いことで知られています。鶏肉の場合、加熱不十分なバーベキュー、鶏鍋(なべ)、焼き鳥などが原因となることもあります。
井戸水や湧水(ゆうすい)、簡易水道水など消毒不十分な飲用水が原因となって、集団食中毒を起こすこともあります。犬、猫などのペットの腸管内にもカンピロバクター菌が存在するため、小児ではペットとの接触によって直接感染することもあります。
1〜7日、平均2〜3日程度の比較的長い潜伏期間を経て、一般の感染型食中毒と同じように、吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛、発熱などの症状が現れます。下痢は水様便で、赤痢を思わせるような粘血便をみることも少なくありません。
このほか、頭痛、悪寒、倦怠(けんたい)感、筋肉痛などが現れることもあり、初期症状は風邪と間違われることもあります。
食中毒症状は通常、1週間以内に治まります。時には症状が長引くこともあり、まれに虫垂炎や腹膜炎などの下痢症以外の症状がみられることもあります。また、治療をしない場合には、腸管内に菌が生き残り保菌者となることがあるので、注意が必要です。
下痢、嘔吐などの回数が多くなると、特に小児や高齢者では、脱水症状が強くなることがしばしばあります。脱水症状とは、体内の水分が不足するために全身のバランスが崩れ、心臓などの循環器、腎臓(じんぞう)、肝臓の働きが悪くなることで、ひどくなったまま放置すればショック状態となり、死に至ることもあります。
カンピロバクター食中毒の検査と診断と治療
食中毒によって乳幼児や高齢者の脱水症状が強くなった場合には、内科、消化器科、胃腸科、小児科の専門医を受診します。
医師は急性の中毒症状から感染を疑いますが、カンピロバクター食中毒と確定するには、実際に糞便(ふんべん)などから原因となっている菌を分離することが必要です。
感染初期や軽症の場合は、ブドウ糖液やリンゲル液などの電解質液の点滴、吐き気や嘔吐を止める鎮吐剤の投与、あるいは整腸剤の投与による対症療法を行います。多くの場合は点滴などで自然軽快しますが、重症化した場合は、エリスロマイシン、ホスホマイシンなどのマクロライド系抗菌剤の投与による治療を行います。
カンピロバクター食中毒を予防するためには、食材の中で最も高率にカンピロバクター菌が検出される鶏肉を、生あるいは加熱不十分で食べることは控えるべきです。熱や乾燥に弱いので、まな板、包丁、ふきんなど調理器具は使用後によく洗浄し、熱湯消毒して乾燥させます。
また、食肉からサラダなどへの二次汚染を防ぐために、生肉を扱う調理器具と調理後の料理を扱う器具は区別し、生肉を扱った後は十分に手指を洗浄します。菌は低温に強くて4℃でも長期間生存するので、食品の長期間の保存はできるだけ避けます。
野生動物の糞便などで汚染される可能性のある井戸水や湧水、簡易水道水など消毒不十分な飲用水を飲まない、小児では犬や猫などのペットの糞便に触らないなどの注意も必要です。
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