■病気 胸郭出口症候群 [病気(き)]
神経や血管が圧迫され首、肩、腕に症状
胸郭(きょうかく)出口症候群とは、神経や血管が胸郭の出口から出る近辺で圧迫され、首や肩、腕などにさまざまな症状が出る疾患。
神経や血管が圧迫されるケースとしては、斜角筋症候群、肋鎖(ろくさ)症候群、過外転症候群などがあります。斜角筋症候群は、首の付け根の前斜角筋、中斜角筋という斜めに走っている筋肉の付着部で、2本の筋腱(きんけん)の間で、神経や血管が圧迫されて起こります。第7頸椎(けいつい)に、小さな肋骨が余計についていると、なお起こりやすくなります。
肋鎖(ろくさ)症候群は、鎖骨と第1肋骨の間で、神経や血管が圧迫されて起こります。過外転症候群は、胸のほうからついている小胸筋の付け根と、烏口(うこう)突起という肩甲骨(けんこうこつ)の突起部の間で、神経や血管が圧迫されて起こります。
いずれのケースも首、肩、腕、手指のしびれ、痛み、凝り、だるさを引き起こし、時には血行障害を来します。血行障害によって、腕を上げていると手が冷たくなってきたり、腕や手指の色が青白くなってくる場合もあります。
このような胸郭出口症候群は、先天的な素因があるところへ、不適当な姿勢や動作が加わると、発症することが多くなります。長時間デスクワークを続けた時など、肩凝りがひどくなることはよく経験することで、首や肩の筋肉の緊張が長く続いたためです。
特に、やせた、なで肩の女性は、もともと胸郭の出口の透き間が狭い上、首や肩を支える筋肉が弱いことから、胸郭出口症候群によるさまざまな症状が出やすい傾向にあります。
胸郭出口症候群の検査と診断と治療
胸郭出口症候群の症状を改善するためには、神経と血管の通り道を広げる必要があります。それには、胸郭、肩甲骨などの位置関係や動きを改善する運動を行います。整形外科やリハビリテーション科で指導を受けるとよいでしょう。
治療の中心となる運動療法では、肩甲骨を上げて筋肉群を強化するトレーニングをして、正しい姿勢を絶えずとるように習慣付けます。例えば、10キロから15キロぐらいのリュックサックを背負い、肩の上げ下げをします。
また、ひじを曲げたまま腕を大きく回す運動をします。ひじを体の前に突き出し、腕を大きく回してひじを外へ開きます。そのまま、ひじを下のほうへ回して、再び元の位置に戻します。これを5回、反対回しを5回、毎日仕事の合い間などに行います。この時、肩甲骨をゆっくり大きく動かすようにすると、肩周辺の筋肉に刺激が伝わってストレッチ効果も大きくなり、胸郭や肩甲骨などの動きの改善につながります。
このほか、首をゆっくり前、右、後ろ、前、左、後ろと半円に回す運動を、頭の重みで首の筋肉を伸ばすような感覚で行います。この運動は仕事中でもできますし、入浴時に肩周辺を温めながら行うとより効果的で、血行が改善されて、筋肉の凝りがほぐれます。
逆に、無理な姿勢や悪い動作を避けることが必要です。例えば、天井のペンキ塗りのような作業や、不適当な姿勢による長時間のデスクワークです。デスクワークを続ける場合は座る姿勢に注意が必要で、あごだけが前に突き出て重心が前に偏らないように、いすに座る時には猫背にならないように、あごを引いた姿勢を心掛けます。
運動療法と日常生活の配慮で効果の現れない時は、手術が必要になることもあります。腕や手指のしびれや痛み、手指の色の変化などは、脊椎(せきつい)の疾患や肺の腫瘍(しゅよう)などで現れることもあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
胸郭(きょうかく)出口症候群とは、神経や血管が胸郭の出口から出る近辺で圧迫され、首や肩、腕などにさまざまな症状が出る疾患。
神経や血管が圧迫されるケースとしては、斜角筋症候群、肋鎖(ろくさ)症候群、過外転症候群などがあります。斜角筋症候群は、首の付け根の前斜角筋、中斜角筋という斜めに走っている筋肉の付着部で、2本の筋腱(きんけん)の間で、神経や血管が圧迫されて起こります。第7頸椎(けいつい)に、小さな肋骨が余計についていると、なお起こりやすくなります。
肋鎖(ろくさ)症候群は、鎖骨と第1肋骨の間で、神経や血管が圧迫されて起こります。過外転症候群は、胸のほうからついている小胸筋の付け根と、烏口(うこう)突起という肩甲骨(けんこうこつ)の突起部の間で、神経や血管が圧迫されて起こります。
いずれのケースも首、肩、腕、手指のしびれ、痛み、凝り、だるさを引き起こし、時には血行障害を来します。血行障害によって、腕を上げていると手が冷たくなってきたり、腕や手指の色が青白くなってくる場合もあります。
このような胸郭出口症候群は、先天的な素因があるところへ、不適当な姿勢や動作が加わると、発症することが多くなります。長時間デスクワークを続けた時など、肩凝りがひどくなることはよく経験することで、首や肩の筋肉の緊張が長く続いたためです。
特に、やせた、なで肩の女性は、もともと胸郭の出口の透き間が狭い上、首や肩を支える筋肉が弱いことから、胸郭出口症候群によるさまざまな症状が出やすい傾向にあります。
胸郭出口症候群の検査と診断と治療
胸郭出口症候群の症状を改善するためには、神経と血管の通り道を広げる必要があります。それには、胸郭、肩甲骨などの位置関係や動きを改善する運動を行います。整形外科やリハビリテーション科で指導を受けるとよいでしょう。
治療の中心となる運動療法では、肩甲骨を上げて筋肉群を強化するトレーニングをして、正しい姿勢を絶えずとるように習慣付けます。例えば、10キロから15キロぐらいのリュックサックを背負い、肩の上げ下げをします。
また、ひじを曲げたまま腕を大きく回す運動をします。ひじを体の前に突き出し、腕を大きく回してひじを外へ開きます。そのまま、ひじを下のほうへ回して、再び元の位置に戻します。これを5回、反対回しを5回、毎日仕事の合い間などに行います。この時、肩甲骨をゆっくり大きく動かすようにすると、肩周辺の筋肉に刺激が伝わってストレッチ効果も大きくなり、胸郭や肩甲骨などの動きの改善につながります。
このほか、首をゆっくり前、右、後ろ、前、左、後ろと半円に回す運動を、頭の重みで首の筋肉を伸ばすような感覚で行います。この運動は仕事中でもできますし、入浴時に肩周辺を温めながら行うとより効果的で、血行が改善されて、筋肉の凝りがほぐれます。
逆に、無理な姿勢や悪い動作を避けることが必要です。例えば、天井のペンキ塗りのような作業や、不適当な姿勢による長時間のデスクワークです。デスクワークを続ける場合は座る姿勢に注意が必要で、あごだけが前に突き出て重心が前に偏らないように、いすに座る時には猫背にならないように、あごを引いた姿勢を心掛けます。
運動療法と日常生活の配慮で効果の現れない時は、手術が必要になることもあります。腕や手指のしびれや痛み、手指の色の変化などは、脊椎(せきつい)の疾患や肺の腫瘍(しゅよう)などで現れることもあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
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