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■心筋梗塞の病巣がホルモンで縮小 [健康ダイジェスト]

 急性心筋梗塞(こうそく)になったミニブタの血管に脂肪組織から分泌されるホルモンを注射すると、梗塞した病巣が縮小することを名古屋大大学院医学系研究科の柴田玲講師、室原豊明教授らの研究チームが突き止め、米医学誌の電子版に発表しました。
 研究チームによると、アディポネクチンというホルモンを7匹のミニブタの心臓の血管に静脈注射したところ、注射しない9匹のミニブタと比べ、病巣が平均で42パーセント縮小。チームはマウスを使った実験で、アディポネクチンを増やすと心臓の保護に効果があることは、すでに確認済みです。
 今回、より人間に近い大動物でも病巣が縮小したことで、実際の治療への応用に一歩近付きました。柴田講師は、「少量注射するだけで、効果があるとわかった。画期的な治療法で、ぜひとも臨床応用につなげたい」と話しています。
 アディポネクチンは、大阪大学分子制御内科学教室の松澤佑次教授のグループによって発見された物質。高血圧や糖尿病、動脈硬化に抵抗する作用を持ち、肥満症や糖尿病、動脈硬化症など生活習慣病の患者では、その血中濃度が低下していることが判明しています。

 2010年3月16日(火)




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