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■認知症治療薬、1つのまま 日本神経学会が8年ぶりにガイドライン改定 [健康ダイジェスト]

 日本神経学会など6学会が、認知症疾患治療ガイドラインをまとめました。2002年以来の改定ですが、アルツハイマー型認知症に使える薬は従来と同じ「アリセプト」1つだけで、薬以外の対応策の情報を充実させました。海外では、ほかに3つの薬が広く使われています。日本は薬の導入体制が遅れているという問題も、改めて浮き彫りにしました。
 認知症患者は全国に約220万人。25年後には330万人を超えると推計されます。
 国内でアルツハイマー型認知症の薬として承認されているのは、エーザイ(東京都文京区)が開発し1999年に発売したアリセプトしかありません。海外では、アリセプトと同様に脳内の神経に情報を伝える物質の分解を抑える「ガランタミン」と「リバスチグミン」、脳の神経細胞が壊れるのを防ぐ働きのある「メマンチン」が使われています。
 日本でもようやく今年、この3薬について薬事法に基づく製造販売の承認申請がされました。審査には1年ほどかかるため、ガイドラインは認知症の早期診断や予防法など薬以外の対応を幅広く採り上げました。3薬は有効性を示す科学的な裏付けがあるとし、「本邦未発売」と但し書きで紹介しました。
 ガイドライン作成の責任者、中島健二鳥取大教授(脳神経内科学)は、「限られた治療法の中で最善の治療をするための指針として医療現場で活用してほしい」と話しています。
 アルツハイマー型認知症は、主に初老期から老年期に発症し、記憶力低下、行動の変化、さらには言語障害や運動機能障害へと進行する脳の変性疾患。発症のメカニズムはいまだ解明されていませんが、発症者の脳内では記憶と学習に関与している神経伝達物質アセチルコリンが減少していることがわかっています。
 このアセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)の働きを妨げる薬がアリセプトで、脳内アセチルコリン濃度を高め、アルツハイマー型認知症の症状の進行を抑制します。病態そのものを治す薬ではありません。
 1999年の日本国内での販売に先立ち、1997年から米国で販売が承認され、その後、世界各国で販売が承認されています。すでに、米国や日本では軽度、中等度に加えて高度のアルツハイマー型認知症まで、すべてのステージのアルツハイマー型認知症治療薬として承認されています。

 2010年11月4日(木)




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