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■用語 チオクト酸 [用語(ち)]

[レストラン]ビタミンに近い働きをするビタミン様作用物質で、糖の代謝促進と抗酸化作用を持つ栄養素
 チオクト酸とは、ビタミンに近い働きをするビタミン様作用物質。α-リポ酸とも呼ばれています。
 その作用は大きく2つあり、体内でのエネルギー生産にかかわっている補酵素として糖質の代謝作用を促進する働きと、強力な抗酸化作用を有しています。
 食事から摂取した糖質は、体内で解糖の最終産物であるピルビン酸に変化してミトコンドリアに運ばれ、そこでチオクト酸によってアセチルCoAに転化し、TCA回路(クエン酸回路)で代謝されます。チオクト酸の体内量が少なくなると、糖がエネルギーとして代謝されず、肉体疲労や肥満の原因となります。
 一方、抗酸化作用はビタミンCとビタミンEの400倍の強さを持つといわれていますが、その抗酸化物質としての特異性は、細胞膜の脂肪性領域と細胞内の水溶性領域の両方で働くことができることです。つまり、水溶性ビタミンや脂溶性ビタミンのように作用が限定されず、さらに分子量が小さいので体の隅々まで浸透します。
 チオクト酸が多く含まれる食品には、牛や豚の肝臓、心臓、腎(じん)臓、ほうれん草、トマト、ブロッコリー、ジャガイモ、ニンジンなどがあります。ただし、その量は多くなく、動物由来食品で1kg当たり1mg程度といわれています。
 日本では従来、医薬品の成分としてのみ取り扱われ、肉体疲労、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、難聴、重金属の解毒などに効果があるとされていましたが、2004年の食薬区分改正により一般の健康食品やサプリメントに配合してよい成分となり、一般販売されました。
 チオクト酸を治療目的で使用する場合の摂取量は1日当たり600mgとされていますが、サプリメントなどとして摂取する場合は、メーカー推奨量が1日100mg程度。
 特定の遺伝的素因を持った人がチオクト酸を摂取した場合、インスリン自己免疫症候群(IAS)を引き起こして低血糖状態になるといわれ、具体的な症状として冷や汗、手足の震えなどの症状が報告されています。
 特定の遺伝的素因を持った人すべてにインスリン自己免疫症候群が発症するかどうかは、現在のところわかっていませんが、その多くは東アジア、特に日本において報告されており、欧米ではあまり報告されていません。
 チオクト酸を摂取して症状が出た場合には、速やかに摂取を中止し、医師の診察を受ける必要があります。その際には、チオクト酸(α-リポ酸)を含有したサプリメントなどを摂取していたことを伝えて下さい。

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