SSブログ

■難病の再生不良性貧血、有効な治療法を簡単判定 [健康ダイジェスト]

 血液中の赤血球、白血球、血小板のすべての血球が減少する難病「再生不良性貧血」で、有効な治療法を簡便に見分ける新たな診断法を、金沢大学附属病院血液内科グループが26日までに確立し、特許を出願しました。
 新たな診断法は、特定の血球の増加に着目した血液検査で、「免疫抑制療法」が効くかどうかを判断します。患者の負担が少ない検査として、的確な治療方針の決定に役立てます。
 再生不良性貧血は、血液の源に当たる「造血幹細胞」が白血球や赤血球などに成長する過程で異常が起こり、血球が作れなくなる病気。貧血の中で最も治りにくいために、厚生労働省は1972年に特定疾患、いわゆる難病に指定しました。
 難病情報センターによると、2006年 の国内患者数は1万1159人に上り、諸外国に比べると日本での有病率は世界で最も高いといわれています。年齢別でみると、20歳代と50~60歳代に発症のピークがあります。
 再生不良性貧血の治療法には、造血幹細胞を攻撃している体内のリンパ球の働きを弱めたり、破壊したりする薬を投与する免疫抑制療法や、造血幹細胞移植(骨髄移植)などがあります。
 免疫抑制療法の効果は再生不良性貧血の原因によって異なり、リンパ球が自分の造血幹細胞を攻撃している場合は有効ですが、造血幹細胞の遺伝子に異常がある場合は効きません。感染症を起こしやすくなるなど副作用もありますが、従来は原因を鑑別するよい方法がなく、とりあえず免疫抑制療法で治療していたのが実情でした。
 金沢大学の研究グループは、再生不良性貧血の患者のうち、特定の蛋白質がない「PNH型血球 」が増加していれば免疫抑制療法が効く可能性が高いことに着目。微小なPNH型血球をとらえる高精度の検査法を開発し、簡便な方法として標準化しました。この検査でPNH型血球が増加していれば、約9割の高い確率で免疫抑制療法が有効であることを確かめました。
 研究責任者の中尾眞二教授によると、高齢者に多く、「急性骨髄性白血病」に移行する可能性がある「骨髄異形成症候群」の患者でも、免疫抑制療法の有効性を確かめられるといいます。中尾教授は、「どの施設でも実施できるよう改良した。多くの患者が適切な治療を受けられるよう後押ししたい」と話しました。

 2011年6月28日(火)

ウェブ版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯i-mode版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯au版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯Yahoo!ケータイ版の健康創造塾にアクセスできます。




nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0