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■新しい骨延長術、高度医療に承認 名大病院が開発 [健康ダイジェスト]

 名古屋大学病院(名古屋市昭和区)は、骨の疾患に伴う低身長症の人などに用いる従来の骨延長術に、独自の「培養骨髄細胞移植」を併用した新たな治療法を確立し、厚生労働省の評価会議で高度医療の対象技術として承認されたと発表しました。
 これまでは臨床研究でしたが、承認により今後は一般の診療として行えるようになりました。将来的に、保険診療にもつながる道筋ができたといいます。
 骨延長術は、国内に約1万人いる軟骨無形成症で身長が伸びない患者や、左右の脚の長さが異なる脚長不等の患者などに用いる治療法。従来の方法は骨折した時に骨が自然に再生する力を利用して、骨を切ってその間隔を徐々に広げていくことで骨を引き伸ばすもの。10センチ伸ばすのに約1年ほどかかり、子供の患者の場合、学校に通えないなど生活に大きな支障が出ていました。
 今回承認された技術は、患者の骨から骨髄細胞を取り出して培養し、骨を作る力を高めた上で、切った骨の隙間に注入します。従来の自然な治癒力に「援軍」を送り込むことで、骨の再生を加速させます。
 名大病院では2002年からこの細胞移植を併用した骨延長術を47例実施。従来の延長術の患者と比べ、治療期間が平均で約2カ月短縮されたといいます。患者ごとの治療期間のばらつきも少なかったといいます。
 また、脚の骨を伸ばす間、医療用の釘を外から骨に打ち込んだままになりますが、治療期間が短いため、感染症などのリスクを減らせるといいます。
 「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」に沿った再生医療としては、全国で初めての承認。今後は、国の先進医療専門家会議で保険診療との併用を認めるかどうか審議されます。
 名大病院の松尾清一院長は、「骨延長術を必要とする子供たちに福音だと思う。これから後に続く病院が増えれば、将来的に保険診療につながる可能性もある」と話しました。

 2011年8月9日(火)




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