■用語 若年性更年期障害 [用語(し)]
20〜30歳代でほてり、のぼせなどの更年期障害と同じ症状がみられる状態
若年性更年期障害とは、20~30歳代の女性に、ほてりやのぼせ、手足の冷え、うつ、不安など更年期障害と同じ症状がみられる状態。一般的な更年期障害は、閉経を迎える45〜55歳くらいの年齢にみられます。
女性はストレスがたまったり、体が不調になると、月経の周期が短くなったり長くなったりして生理不順がみられるようになり、無月経もみられます。医学的には無月経の期間が半年ぐらいであれば、続発性無月経と呼びます。1年以上無月経が続くと閉経と見なされ、通常では43歳以前に閉経となることを早発閉経と呼びます。このような状態は病的な状態と考えられます。
早発閉経の場合、卵巣機能低下症(卵巣機能不全)というものがその原因であることが多く、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下することから、卵巣機能が正常に機能しなくなり閉経に至ります。若年性更年期障害を訴える女性の中には、卵巣機能低下症などさまざまな原因で、実際に早期閉経を来している人も含まれていますが、20〜30歳代で本当に閉経を迎える人はごく少数です。
若年性更年期障害の原因は、強いストレスを受ける生活環境、過度のダイエットや外食中心の食生活、極端な偏食がもたらす栄養バランスの悪い生活、喫煙などが考えられます。スポーツ選手などの場合、過激な運動が原因になることもあります。
このような原因があると、年齢に関係なく、脳の視床下部から出る女性ホルモンを出すための卵巣への指令がうまく働かず、女性ホルモンの分泌を促すことができなくなり、ホルモンのバランスが乱れて、更年期と同じような症状が現れると考えられています。
卵巣機能の低下や女性ホルモンの欠乏、ホルモンバランスの乱れによる若年性更年期障害の症状としては、心身両面に渡る多彩な症状(不定愁訴)がみられます。
1.自律神経失調症状
血管運動神経系障害の症状
ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)、冷え症、熱感、発汗、寝汗、動悸(どうき)、頭痛
運動器系障害の症状
腰痛、肩凝り、関節痛
胃腸系障害の症状
悪心、嘔吐(おうと)、腹痛、便秘、下痢、腹部膨満、食欲低下
泌尿器系障害の症状
頻尿
2.精神神経系障害の症状
イライラ、不安、不眠、記憶力減退、物忘れ、頭痛、頭重感、めまい、耳鳴り、抑うつ、気分減退、倦怠(けんたい)感、しびれ、知覚過敏、知覚鈍麻、蟻走(ぎそう)感(アリが体をはうような感じ)
3.生理の状態、性器系障害の症状
生理不順、無月経、不正出血、乾燥による性交障害
これらの症状の出現頻度や程度は、個人差がかなりあります。さらに、1日でも程度が異なります。
若年性更年期障害の症状は、長く放置すると、治療をしても回復しなくなることもあり、本当の更年期が来た時により重い症状が出やすいともいわれています。心当たりのある人は要注意で、早発閉経なのか、単に卵巣機能の低下や女性ホルモンの欠乏、ホルモンバランスの乱れなのかを確かめる意味でも、早めに婦人科の医師の診断を受けることが勧められます。
体温の高低は、女性ホルモンの分泌の変化を現します。ふだんから月経周期や基礎体温を記録して、その記録を持って婦人科にいけば、診断の際の重要なデータとなり、早く適切な処置をしてもらえます。
若年性更年期障害の検査と診断と治療
婦人科の医師の診断ではまず、早発閉経なのか、卵巣機能の低下や女性ホルモンの欠乏、ホルモンバランスの乱れが原因なのかを確かめます。これは、血液検査で調べることができ、血液中の女性ホルモン(エストロゲン)や、脳の視床下部から分泌される性腺(せいせん)刺激ホルモンの量をみます。
早発閉経の場合は、エストラジオール(最も作用の強い卵胞ホルモン)の量が3分の1以下に低下していますが、卵巣機能の低下程度ならばそれほど激しい低下はありません。
この結果、早発閉経と診断された場合には、骨粗鬆(こつそしょう)症や高脂血症など閉経後に増える疾患が出てくる可能性も高くなるので、ホルモン補充療法などで積極的に治療することが必要になります。卵巣の機能が低下していたり、ホルモンの分泌量が少ない場合も、それぞれに適したホルモンの補充やホルモン分泌を促す薬が使われます。
一方、卵巣機能やホルモンの量には問題がなく、ホルモン分泌がスムーズに行っていない場合は、まず生活を見直すことでホルモンバランスの改善を図ります。仕事や人間関係のストレス、過度のダイエットや不規則な生活など、思い当たることがあればまずこれを改善します。
ストレスや悩みがあるなら、あまり考え込まず、ちょっと体を動かすとか、気分転換に散歩をする、ゆっくり風呂に入りリラックスをする、趣味の時間を作る、友人と話す機会を増やすなどで解消してみましょう。また、座りっ放しや、同じ体勢で仕事をしている場合は、時々体操をしたり、体勢を変えるなどして、体を動かして体全体の血液の流れをよくしましょう。
若年性更年期障害の症状を和らげるには、このようにちょっと体を動かすことや、肩の力を抜き頑張りすぎないことが重要になってきます。体を動かすことは、運動不足からも起こるといわれている月経周期の乱れの改善にも、役立ちます。
ダイエットも体調が回復するまでは中止、その後もこの体験を教訓に食べすぎない程度にとどめることを考えます。
若年性更年期障害とは、20~30歳代の女性に、ほてりやのぼせ、手足の冷え、うつ、不安など更年期障害と同じ症状がみられる状態。一般的な更年期障害は、閉経を迎える45〜55歳くらいの年齢にみられます。
女性はストレスがたまったり、体が不調になると、月経の周期が短くなったり長くなったりして生理不順がみられるようになり、無月経もみられます。医学的には無月経の期間が半年ぐらいであれば、続発性無月経と呼びます。1年以上無月経が続くと閉経と見なされ、通常では43歳以前に閉経となることを早発閉経と呼びます。このような状態は病的な状態と考えられます。
早発閉経の場合、卵巣機能低下症(卵巣機能不全)というものがその原因であることが多く、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下することから、卵巣機能が正常に機能しなくなり閉経に至ります。若年性更年期障害を訴える女性の中には、卵巣機能低下症などさまざまな原因で、実際に早期閉経を来している人も含まれていますが、20〜30歳代で本当に閉経を迎える人はごく少数です。
若年性更年期障害の原因は、強いストレスを受ける生活環境、過度のダイエットや外食中心の食生活、極端な偏食がもたらす栄養バランスの悪い生活、喫煙などが考えられます。スポーツ選手などの場合、過激な運動が原因になることもあります。
このような原因があると、年齢に関係なく、脳の視床下部から出る女性ホルモンを出すための卵巣への指令がうまく働かず、女性ホルモンの分泌を促すことができなくなり、ホルモンのバランスが乱れて、更年期と同じような症状が現れると考えられています。
卵巣機能の低下や女性ホルモンの欠乏、ホルモンバランスの乱れによる若年性更年期障害の症状としては、心身両面に渡る多彩な症状(不定愁訴)がみられます。
1.自律神経失調症状
血管運動神経系障害の症状
ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)、冷え症、熱感、発汗、寝汗、動悸(どうき)、頭痛
運動器系障害の症状
腰痛、肩凝り、関節痛
胃腸系障害の症状
悪心、嘔吐(おうと)、腹痛、便秘、下痢、腹部膨満、食欲低下
泌尿器系障害の症状
頻尿
2.精神神経系障害の症状
イライラ、不安、不眠、記憶力減退、物忘れ、頭痛、頭重感、めまい、耳鳴り、抑うつ、気分減退、倦怠(けんたい)感、しびれ、知覚過敏、知覚鈍麻、蟻走(ぎそう)感(アリが体をはうような感じ)
3.生理の状態、性器系障害の症状
生理不順、無月経、不正出血、乾燥による性交障害
これらの症状の出現頻度や程度は、個人差がかなりあります。さらに、1日でも程度が異なります。
若年性更年期障害の症状は、長く放置すると、治療をしても回復しなくなることもあり、本当の更年期が来た時により重い症状が出やすいともいわれています。心当たりのある人は要注意で、早発閉経なのか、単に卵巣機能の低下や女性ホルモンの欠乏、ホルモンバランスの乱れなのかを確かめる意味でも、早めに婦人科の医師の診断を受けることが勧められます。
体温の高低は、女性ホルモンの分泌の変化を現します。ふだんから月経周期や基礎体温を記録して、その記録を持って婦人科にいけば、診断の際の重要なデータとなり、早く適切な処置をしてもらえます。
若年性更年期障害の検査と診断と治療
婦人科の医師の診断ではまず、早発閉経なのか、卵巣機能の低下や女性ホルモンの欠乏、ホルモンバランスの乱れが原因なのかを確かめます。これは、血液検査で調べることができ、血液中の女性ホルモン(エストロゲン)や、脳の視床下部から分泌される性腺(せいせん)刺激ホルモンの量をみます。
早発閉経の場合は、エストラジオール(最も作用の強い卵胞ホルモン)の量が3分の1以下に低下していますが、卵巣機能の低下程度ならばそれほど激しい低下はありません。
この結果、早発閉経と診断された場合には、骨粗鬆(こつそしょう)症や高脂血症など閉経後に増える疾患が出てくる可能性も高くなるので、ホルモン補充療法などで積極的に治療することが必要になります。卵巣の機能が低下していたり、ホルモンの分泌量が少ない場合も、それぞれに適したホルモンの補充やホルモン分泌を促す薬が使われます。
一方、卵巣機能やホルモンの量には問題がなく、ホルモン分泌がスムーズに行っていない場合は、まず生活を見直すことでホルモンバランスの改善を図ります。仕事や人間関係のストレス、過度のダイエットや不規則な生活など、思い当たることがあればまずこれを改善します。
ストレスや悩みがあるなら、あまり考え込まず、ちょっと体を動かすとか、気分転換に散歩をする、ゆっくり風呂に入りリラックスをする、趣味の時間を作る、友人と話す機会を増やすなどで解消してみましょう。また、座りっ放しや、同じ体勢で仕事をしている場合は、時々体操をしたり、体勢を変えるなどして、体を動かして体全体の血液の流れをよくしましょう。
若年性更年期障害の症状を和らげるには、このようにちょっと体を動かすことや、肩の力を抜き頑張りすぎないことが重要になってきます。体を動かすことは、運動不足からも起こるといわれている月経周期の乱れの改善にも、役立ちます。
ダイエットも体調が回復するまでは中止、その後もこの体験を教訓に食べすぎない程度にとどめることを考えます。
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