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■便秘を穏やかに改善する機能性食品を開発 岐阜薬大とアピ [健康ダイジェスト]

 岐阜薬科大学(岐阜市)と総合食品メーカー「アピ」(同市)は22日、科学技術振興機構(JST)の資金援助で共同研究してきた便秘改善作用がある機能性食品について、東南アジア原産の植物「沈香(じんこう)葉」の抽出物から開発に成功したと発表しました。
 開発した機能性食品は、下痢などの副作用は極めて少ないといいます。今後は、国の特定保健用食品としての許可申請を含め、お茶のような飲料やサプリメント素材として便秘改善効果が期待できる食品として販売し、5年間で2億円の売上げを目指します。
 古来より便秘は万病の源とされ、生活習慣病の要因の1つとなっています。現在、食生活の西洋化などの影響を受け、慢性的な便秘で悩む女性や高齢者が増加しています。
 現在の便秘改善薬の大半は、腸管を直接刺激して蠕動(ぜんどう)運動を引き起こす「刺激性下剤群」であり、効果がある程度期待できるものの下痢や腹痛などの副作用を伴います。一方、副作用の少ない「健康食品群(ビフィズス菌や食物繊維など)」では、効果が弱いという問題がありました。
 その中で、副作用が少なく穏やかな効果が期待できる機能性食品は、市場そのものを大きく拡大することが期待されます。
 共同研究では、東南アジアを中心にお茶として飲用されているジンチョウゲ科植物の沈香木の葉の抽出物に着目し、その機能の解明と開発を進めました。その結果、沈香葉に含まれるポリフェノールの一種「ゲンクワニン配糖体」が活性成分であることが判明し、そのエキスにおける便秘改善作用を確認しました。このゲンクワニン配糖体は、腸の筋収縮を作動させるアセチルコリン受容体に働き掛ける特徴があり、蠕動運動を穏やかに促進して便秘を改善する作用があるといいます。
 この日は、研究に関わった岐阜薬科大学薬効解析学研究室の原英彰教授(54)、同大生薬学研究室の飯沼宗和教授(64)、アピ社の野々垣孝彦社長(49)らが会見。同大は「研究成果から食品開発に成功した岐阜発の事例」、同社は「産官学連携のケーススタディーとして発信したい」などと語りました。
 共同研究を巡っては、6年前に原教授と飯沼教授がゲンクワニン配糖体から便秘改善作用を発見。JSTの事業として、アピ社が2007年12月から2011年12月まで4年掛かりで同大と実用化を視野に、沈香葉の調達や成分の抽出、粉末化など事業化を見据えて有効性、安全性などを確認し、同日までにJSTから開発成功の認定を受けました。

 2012年3月23日(金)




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