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■発毛の元を作って移植し、毛を再生 新しい増毛法候補、マウスで成功 [健康ダイジェスト]

 毛穴の奥に無数にあり、毛を生み出す「毛包(もうほう)」の元を作って移植し、毛を再生する方法を、辻孝・東京理科大教授(再生医工学)らの研究チームが、マウスの実験で見付けました。再生された毛は神経とつながり、抜けても生え替わることが確認されました。
 大量に再生する技術などに課題はありますが、新しい増毛法につながると期待されます。17日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズで発表しました。
 研究チームは、大人のマウスのヒゲの毛包にある「上皮性幹細胞」と「毛乳頭細胞」の2種類の細胞を取り出して培養し、毛包の元を作りました。
 これを生まれ付き体毛のないマウスの背中の皮膚に移植した結果、約3週間後に74パーセントの確率で背中から毛が生え始めました。その後、元のマウスと同様に3~5ミリまで伸び、抜けても同じ太さや硬さの毛を何度も生え替わらせました。
 刺激への反応やたんぱく質などを調べたところ、周りの神経や筋肉ともつながっていました。
 体毛も再生できることを確認。移植に使う細胞の数によって、毛の密度や本数を変えることができました。色素に関わる幹細胞を加えて培養し、白い毛を黒や茶にすることもできました。また、人の毛包の元を作ってマウスの皮膚に移植すると、そこから人の毛が生えました。
 組織や器官に成長する幹細胞は通常、胎児から採取したものでないと再生が難しいものの、毛包の幹細胞は大人にもあります。そのため、自分の細胞を培養して使う新しい発毛治療の開発が期待できるといいます。
 研究を行った辻孝教授は、「人でも後頭部などに髪の毛が残っていれば、自分自身の細胞でもう一度、毛包を組み立て毛髪を作り出すことが可能になる」とし、「人へ応用するには、広い範囲に生やすための幹細胞の増幅技術の向上などが必要。3〜5年以内に臨床研究を始め、10年程度で一般の患者に提供できるようにしたい」と話しています。

 2012年4月18日(水)




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