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■用語 下駄履き骨折 [用語(け)]

[足]足の小指の根元、甲の部分に位置する第5中足骨の基部に起こる骨折
 下駄履き骨折とは、足の第5趾(し)(小指)の根元、足の甲の部分に位置する長い骨である第5中足骨(ちゅうそくこつ)の足首に近い基部に起こる骨折。第5中足骨基部骨折とも呼ばれます。
 丸くアーチ状になっていて、最も足の外側にあるために地面からの力を直接受けやすい第5中足骨基部は、よく骨折を起こす部分です。骨折しても歩けることも多く、足首をひねった捻挫(ねんざ)と同じ形で受傷するので捻挫と思われがちですが、痛みのある部分や、はれのある部分が違いますので、よく観察すると区別が付きます。
 下駄履き骨折による症状は、足の甲の外側や小指の付け根の強い痛み、はれ、押すと痛む圧痛、歩行障害です。一般的には、痛みがほぼなくなるには約1カ月、はれがなくなるには2~3カ月を要します。
 一方、足首(足関節)の捻挫で、いわゆる靭帯(じんたい)が伸びた状態であれば数日から1、2週で痛みがなくなりますが、靭帯断裂になると1カ月以上かかることもあります。
 下駄履き骨折は、かつて高下駄(げた)を履いている時に足をひねるとよく生じていました。現在は下駄を履く機会があまりありませんので、なくなったかというとそうではありません。下駄は履かなくても、裸足やサンダル履きの時、普通の靴を履いている時にも足をひねると発生することがあります。特に、厚底靴やハイヒールを履いている時は要注意です。
 しかし、骨折に至っても、周辺に靭帯や腱(けん)が残存していて骨片の動きが少ないため、ある程度以上ずれることはあまりありません。比較的よく治り、ギプス装着を必要としないこともあります。骨癒合しないことがあっても、動きがほとんどないため、関節部ではないのに関節のようになる偽関節になっても、異常可動性などの症状を来すことはほとんどないとされます。
 足首をひねった際には、軽い捻挫だろうと判断して我流で治療せず、早めに整形外科の医師を受診することが勧められます。
[足]下駄履き骨折の検査と診断と治療
 整形外科の医師による診断では、第5趾の根元、第五中足骨の基部に明らかな圧痛を認め、内反ストレス(内返し)を加えると激痛を生じます。レントゲン検査の前後像と斜位像の2方向撮影で、確定診断されます。
 しかし、ずれ(転位)のないケースでは、受傷した足部の状態を再現したストレスレントゲン撮影を行わないと、骨折が発見できないことがあります。従って、自覚症状と診察所見で下駄履き骨折(第5中足骨基部骨折)が疑われる場合は、必ずストレスレントゲン撮影を行うことが大切です。
 整形外科の医師による治療では、骨折部のずれが少ないか亀裂(きれつ)骨折であるため、手術の対象となる場合はまれです。
 骨折の状態によって、ギプス療法や長靴型の短下肢装具などの装具療法を行い、骨折部を固定して骨の癒合を経過観察します。ギプス装着の期間は1~4週間と状態によって異なり、また、取り外しができる足部だけの簡単なギプスシーネなどで固定することもあります。
 ずれがなく痛みやはれが少ない場合は、湿布と弾力包帯だけを使用することもあります。厳重に固定をしなくても、骨折部の骨膜や靭帯の連続性が保たれているため、骨折部のずれが大きくなることはほとんどありません。ギプスやギプスシーネを装着しない場合の注意事項は、痛みの出る動作を極力しないことです。
 一般的には、痛みがほぼなくなるには約1カ月、はれがなくなるには2~3カ月、おおよその日常動作で痛みがなくなるには2~3カ月を要します。スポーツができるようになるには5~6カ月、違和感がなくなるには6カ月以上を要します。
 骨折部のずれが著明なケースでは、手術の対象とし、経皮的骨接合術や内固定術などの骨接合術を行うことがあります。
 骨の癒合や症状の状況に応じて、リハビリを開始します。リハビリの内容は、ジェットバスのようなバイブラバスや電気治療、本人が行う筋力増強訓練、ストレッチングなどです。
 関節の動きをよくするためには、足関節の屈伸、足指の屈伸が有効です。筋力をつけるには、歩くことのほか、つま先立ちやかかと立ちも効果があります。血行をよくするには、風呂にこまめに入ってマッサージをするのがよく、風呂に入った際に関節を動かし、つま先立ちなどをすると効果的です。
 治療後にスポーツを行う人には、第5中足骨の外側縦アーチを守るため、足底板をシューズに入れることを勧めることもあります。アーチを支える構造になっている足底板は、外側縦アーチにかかるストレスを小さくすることができます。足全体で体重を支えることを目的として、親指側にも足底板を追加することもあります。




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