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■男性用避妊薬の開発に道 精子数減らす化合物を発見 [健康ダイジェスト]

 がん治療のために作られた化合物を男性が服用すると女性の妊娠の確率を大きく下げることができると、アメリカなどの研究チームが発表し、男性用の避妊薬の開発につながるのではと注目を集めています。
 これは、アメリカのベイラー医科大学やハーバード大学とイギリス、カナダの研究チームが16日、アメリカの科学雑誌「セル」電子版に発表したものです。
 研究チームは、がんの治療のために作られた「JQ1」という化合物に、精巣で精子ができる際に必要なブロモドメインタンパク質(BRDT)の働きを抑制する作用があることを発見し、オスのマウスに注射してその効果や影響を観察しました。
 その結果、3~6週間JQ1を注射されたマウスは、精子の数は通常の28~11パーセントに減り、卵子に受精する際に必要な精子の動きも通常の22~5パーセントに減りました。
 精子を詳しく調べると、十分に成熟しておらず、受精卵を作る能力がないものが大半でした。
 JQ1を注射されたオスのマウスをメスのマウスと一緒に飼うと、性行動は通常通りでした。男性ホルモンの量にも変化はありませんでした。
 マウスに副作用などの影響はなく、JQ1を与えるのをやめたおよそ1カ月半後には精子の数や運動能力は回復し、誕生した子供も健康だったといいます。
 JQ1は効き目が素早く、男性ホルモンの働きや性衝動に影響しないのが特長。研究チームは、「人間でも似た仕組みが働いており同様の効果が期待できる。今後、臨床試験を目指したい」としています。
 今回の研究について、欧米のメディアは「画期的な成果だ」としてこぞって取り上げており、コンドームかパイプカット(精管切除術)しか選択肢がなかった男性の避妊手段に、経口避妊薬(ピル)が加わる日も遠くないかもしれないと論評しています。

 2012年8月18日(土)




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