SSブログ

■アトピー性皮膚炎、関与の遺伝子領域を発見 理研がゲノム調査 [健康ダイジェスト]

 アトピー性皮膚炎の発症にかかわる可能性のある8カ所の遺伝子領域を、日本人患者を対象にした大規模なゲノム(全遺伝情報)解析で、理化学研究所などのグループが特定しました。
 成果は7日付で、米科学誌ネイチャー・ジェネティクスの電子版に掲載されました。アトピー性皮膚炎の発症の仕組みの解明や、新たな治療薬の開発につながると期待されています。
 理化学研究所ゲノム医科学研究センター、慶応義塾大学、東京慈恵会医科大学などのグループは、アトピー性皮膚炎になりやすい人の遺伝子上の特徴を調べるため、日本人の患者3328人と患者ではない1万4992人から集めた約2万人分のゲノムを解析。
 その結果、アトピー性皮膚炎になりやすい体質かどうかを決めるゲノム領域は、これまで海外で欧米人患者を対象にした調査で見付かっている7カ所以外に、新たに8カ所あることを確認したとしています。
 このゲノム領域の中には、免疫に関係するゲノム領域のほか、血液中の濃度が低いとアトピー性皮膚炎になりやすいとされてきたビタミンDのゲノム領域などが含まれていたということです。また、8カ所のゲノム領域のいずれかに特定のタイプを持つと、アトピー性皮膚炎の発症リスクが1・18~1・40倍高くなることがわかりました。そのうち2カ所のゲノム領域は、気管支ぜんそくと共通していたといいます。
 さらに、欧米人患者を対象にした調査で見付かっている7カ所のゲノム領域についても追認解析し、日本人患者に共通することを確認しました。これにより、合計15カ所のゲノム領域が日本人のアトピー性皮膚炎の発症に関与することがわかったことになります。
 理化学研究所の広田朝光研究員は、「特定した8カ所のゲノム領域に含まれる遺伝子の働きを詳しく調べることで、アトピー性皮膚炎が発症する仕組みの解明や新たな治療薬の開発につながると考えられる」と話しています。
 厚生労働省によると、アトピー性皮膚炎の国内患者数は2008年時点で約34万9000人。ステロイド剤などで症状をコントロールすることは可能になってきましたが、効果があまりみられない例もあり、治療法の研究が進められています。

 2012年10月8日(月)




nice!(11)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0