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■厚労相直轄の検討委設置へ 高血圧治療薬の論文不正問題 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は12日、高血圧治療薬に関する研究論文の不正問題について、大臣直轄の検討委員会を設けると発表しました。不正がどのような経緯で起きたのかを調べ、再発防止策を検討します。
 この問題では、製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬ディオバン(一般名・バルサルタン)の効果を調べた京都府立医科大の松原弘明元教授(2月に退職)の臨床研究論文に対し、同大学の調査委員会が「不正があった」と認定しました。
 患者のデータを操作し、ほかの治療薬に比べ、脳卒中などを防ぐ効果が実際より高くなるように見せ掛けられていた可能性があるとされます
 問題の臨床研究は、高血圧の日本人3031人が対象。ディオバンを飲むと、ほかの高血圧治療薬だけを飲んだ場合に比べて、血圧を下げるほかにも脳卒中や狭心症を防ぐ効果が高いとする論文が2009年、欧州心臓病学会誌に発表されました。
 しかし、外部からデータに疑義があることを指摘され、同大学が今年3月に調査を始めました。
 調査委員会の報告によると、患者のうち223人分のカルテを調査したところ、34人で脳卒中などが起きていないのに発症したとしたり、逆に発症したのに、起きていなかったとしたりする不正操作がありました。血圧の数値の追加や修正も223件ありました。
 カルテなどから改めて解析し直すと、ディオバンとほかの高血圧治療薬との間で、効果の差はみられなくなったといいます。
 田村憲久厚労相は、「(調査結果は)データの捏造(ねつぞう)・改ざんが強く示唆される内容で、大変遺憾」との談話を出しました。
 京都府立医大のほか、東京慈恵会医大と滋賀医大、千葉大、名古屋大でも、同様の臨床研究を手掛け、論文を発表しています。委員会では、これらの調査結果を踏まえて議論する方針。関係者から事情を聴くことも検討しています。
 また、現在見直し中の臨床研究指針に、研究の質を担保する方策を盛り込むことにしました。
 ディオバンは、製薬大手ノバルティスが2000年に日本国内で販売を始めた高血圧治療薬。2012年度の日本国内売上額は約1083億円で、世界約100カ国でも承認されています。

 2013年7月15日(月)




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