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■恐怖の体験、精子を介して子孫に受け継がれる 米研究チーム発表 [健康ダイジェスト]

 身の危険を感じるなどの体験は遺伝子(DNA)に変化を引き起こし、後の世代に受け継がれることがあるという研究報告をアメリカの研究チームが発表しました。
 アメリカのエモリー大学の研究チームは、オスのマウスにサクランボに似たにおいをかがせながら足に電気ショックを与え、このにおいを恐れるように訓練しました。
 そして、このマウスをメスのマウスとつがいにして交配させ、生まれた子供のマウスにさまざまなにおいをかがせたところ、子供のマウスは電気ショックは与えていないのに、父親のマウスが恐怖を感じたサクランボに似たにおいの時だけ、強くおびえるしぐさをみせました。孫の世代でも、同様の反応が得られました。
 父親のマウスと子孫のマウスの精子の遺伝子を調べると、嗅覚(きゅうかく)を制御する遺伝子に変化の跡があり、脳の嗅覚神経細胞の集まりが大きく発達していました。
 これらの変化が親の「教育」によるものでないことを確かめるため、父親のマウスから精子を採取し、人工授精で子を育ててその脳を調べると、同様の変化が認められました。
 研究チームでは、「個体の特定の体験は遺伝子に変化を引き起こし、生殖細胞などを通じて後の世代に受け継がれる現象が明らかになった」、「こうした現象の研究を進めれば、さまざまな恐怖症やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの解明につながる可能性がある」としています。
 研究報告は、科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表されました。

 2013年12月10日(火)

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