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■小児に禁止麻酔薬を投与、5年で63人に 東京女子医大病院 [健康ダイジェスト]

 東京女子医科大学病院(東京都新宿区)で今年2月、2歳男児が手術後に麻酔薬を投与されて死亡した医療事故について、大学の高桑雄一医学部長と男児の手術を執刀した吉原俊雄教授、山口直人教授が5日、東京都内で記者会見しました。
 会見した3人は、病院側が小児への使用を禁止する麻酔薬を男児に過大に投与したと発表。その禁止薬を複数の子供に使っていたことも明らかにし、大学側も5年間で63人に使用したことを認めました。この事故については、警視庁が業務上過失致死容疑で捜査しており、厚生労働省も投与の実態確認を急いでいます。
 3人は、事故後に教授会が関係者から事情聴取した結果に基づいて発表しました。死亡した男児は首のリンパ管の手術後、集中治療室(ICU)で人工呼吸中に動いて呼吸用の管が抜けるのを防ぐため、麻酔薬「プロポフォール」を4日間投与されました。
 プロポフォールは海外で小児の死亡例が報告され、厚労省は2001年9月、集中治療室で人工呼吸中の小児(およそ15歳未満)への使用を禁じる通達を製薬会社に出しました。製薬各社は薬剤の添付文書で、この条件での使用は「禁忌(きんき)」と明示しています。
 担当した麻酔医は、禁止薬であることを知りながら家族への説明もなく投与。成人に換算すると、通常の2・5〜2・7倍の量が使われたといいます。
 麻酔医は教授会の調査に対し、禁止薬を使った理由について「子供への投与が禁止されていることは知っていたが、人工呼吸器の管が患者が動いて外れないようにするために投与した」と説明しているといいます。
 3人は男児の死因について、「病理解剖の担当によると麻酔薬の副作用を示す症状も出ており、カルテに記載された自然死ではなく異状死だ」と指摘しました。
 また、この男児と同様の麻酔薬の使用例を大学が調査したところ、2009年1月から昨年12月までに15歳未満の使用が63人ありました。死亡例はありませんが、重篤な副作用が出たケースがあったかどうかは不明だといいます。
 会見した高桑医学部長は、「死亡から3カ月以上経っても病院が社会に対して説明しないのは問題だと考えて会見に踏み切った。患者に同意を得ずに投与しているのは不適切で、すべての教員に対して再教育を行い再発防止に努めたい」と述べました。

 2014年6月7日(土)

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