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■卵子精子の元、人のiPS細胞から高効率で作製 京大教授ら [健康ダイジェスト]

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から卵子と精子の元になる「始原生殖細胞」を高効率で作り出す手法を、京都大の斎藤通紀教授らが確立しました。今後、この始原生殖細胞から卵子や精子が作れるようになれば、不妊や遺伝病の原因解明につながると期待されます。
 米科学誌セル・ステムセル電子版に、17日付けで発表しました。始原生殖細胞は受精卵が子宮に着床した後に現れるため、母体から取り出して研究に使うことには、倫理的に難しい面がありました。
 斎藤教授らはiPS細胞を使ってマウスの始原生殖細胞を作り、卵子と精子に変えて子どもを得ることに世界で初めて成功。だが、人の始原生殖細胞を安定して作ることができませんでした。
 そこで、始原生殖細胞に特徴的な遺伝子が働くと光るiPS細胞を作り、さまざまな条件で培養した結果、特定の2種類の化合物で刺激した細胞を使えば、マウスと同じ手法で人の始原生殖細胞を高効率で作り出せることがわかりました。
 イギリスのケンブリッジ大などのグループも昨年、斎藤教授らとは別の手法で人の始原生殖細胞を作ったと発表。今後、こうした細胞を使って卵子や精子を体外で作る研究が進めば、不妊や遺伝病の原因がわかる可能性もあります。
 ただ、こうした技術は倫理的な課題もあり、文部科学省は人の万能細胞であるiPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)から生殖細胞を作る研究を指針で規制しています。
 斎藤教授は、卵子や精子を作るには多くの課題があるとした上で、「今回、出発点となる細胞ができた。研究をさらに発展させていくことが重要だ」と話しました。

 2015年7月21日(火)

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