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■働き盛り世代を襲う胃がん、大腸がん、乳がん 痛みや異常に気付いたらすぐ受診を [健康ダイジェスト]

 女優の川島なお美さんや、フリーアナウンサーの黒木奈々さんら働き盛りの世代の著名人が、相次いでがんで命を落としています。今や「2人に1人ががんになる」とされ、外来治療を受けながら働き続ける人もいます。
 専門家は、「早期発見で治るがんもある。自覚症状がある場合は、すぐに受診を」と呼び掛けています。
 9月24日に54歳で亡くなった川島なお美さんの命を奪った胆管がんは、検診などで見付けにくく、有効な治療薬も少ないなど治癒が難しいとされるがんの一つ。今年亡くなった任天堂の岩田聡社長や、柔道五輪金メダリストの斉藤仁さんも、胆管がんでした。いずれも働き盛りの50歳代の死で衝撃が大きかったものの、一般的には70歳代が多く、がん患者全体では2~3パーセントを占めます。治療は、手術が第一選択。
 自覚症状としては、みぞおちから右上腹部の鈍痛、食欲不振、体重減少、発熱などがみられます。また、胆管が詰まると黄疸(おうだん)の症状が出ます。皮膚や白目が黄色くなり、尿が茶色、便が白くなるほか、全身にかゆみが出ます。こうした症状がある場合は、先延ばしにせず、速やかに医療機関を受診することが勧められます。
 9月19日に32歳の若さで亡くなったフリーアナウンサーの黒木奈々さんは、胃がんでした。
 胃がんはかつて、塩分やストレスが原因とされてきましたが、今ではピロリ菌による感染が重要な危険因子とされます。北海道大学大学院がん予防内科学講座の浅香正博特任教授は、「40歳代までの感染者の場合、除菌によって胃がんの発生を90パーセント以上抑制できると考えられている」と説明。若い世代こそ検査を受け、感染が判明したら速やかに除菌するよう勧めています。
 除菌治療は、2013年2月から保険適用となりました。除菌治療に手術や入院は必要なく、胃酸を抑える薬と2種類の抗生物質を7日間、朝夕食後に服用します。
 9月23日に乳がんであることを公表したタレントの北斗晶さん(48歳)は、毎年秋ごろに乳がん検査を受けており、昨年の検査では異常は見付かりませんでした。今年に入り、右の乳房にチクッとする痛みがあるなど異変に気付いたものの、検査を受けている安心感もあり、すぐに受診することはなかったといいます。
 聖路加国際病院ブレストセンター長の山内英子医師は、「中間期がんといって、検診と検診の間に見付かるがんもあります。検診を受けていても、異変に気付いたらすぐに受診を」と呼び掛けています。
 5月に54歳で亡くなった俳優の今井雅之さんは、大腸がんでした。体調に異変を感じたのは昨年8~9月で、11月に病院で検査を受けたところ、ほかの臓器への転移がみられる「ステージIV」の大腸がんと診断されたといいます。ステージIVの場合、5年生存率は3割程度とされます。
 大腸がんは、大腸の内側の表面にある粘膜に発生するがんで、食の欧米化などにより近年増加傾向にあります。大腸がんになると、便に血が混じっていたり、便秘になったりするほか腹痛などの症状が現れるものの、初期にはほとんど自覚症状が出ません。ただ、便の中に混ざっている血液を検出する「便潜血検査」は早期発見に有効。
 がん研有明病院消化器センター大腸外科部長の上野雅資医師は、「大腸がんは診断も簡単で比較的治りやすい。早期発見のためにも40歳以上の人は定期的に検査を受けてほしい」と話しています。
 上野医師はまた、「日本人に多い、胃がんや乳がん、大腸がんなどは比較的治りやすい」と指摘。早期に発見できれば、外科手術をしなくても内視鏡手術ですむこともあるといい、「若い人は忙しく、痛みや異常を感じても病院にゆかずに悪化させてしまいがち。自分や家族のためにもがん検診をしっかりと受けてほしい」と話しています。

 2015年10月7日(水)




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