SSブログ

■ジカ熱、感染妊婦3割で胎児異常 手足まひの難病になる可能性も [健康ダイジェスト]

 中南米を中心に流行が広がるジカ熱について、ブラジルとアメリカの研究チームがウイルスに感染した妊娠中の女性のうち、およそ3割で胎児に先天的に頭部が小さい小頭症などの異常が見付かったと発表しました。
 これは、ブラジルとアメリカの研究チームが、4日付けのアメリカの医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表したものです。
 それによりますと、研究チームは蚊が媒介するジカ熱について、ブラジルで昨年9月から今年2月にかけて発疹や関節痛、頭痛や軽い発熱などの症状を訴えて病院で受診した妊娠中の女性を調査。
 このうちジカウイルスへの感染が確認された42人の女性の胎児の状態を超音波検査で診察したところ、29パーセンに当たる12人の胎児で、小頭症や脳神経の障害などの異常が見付かったということです。内訳は、子宮内死亡2人、小頭症を含む発育不全5人、中枢神経の発達障害7人、羊水や血流の異常7件(重複を含む)。
 一方、ジカウイルスに感染していなかった16人の女性では、胎児に異常は見付からなかったということです。
 研究チームは、「妊娠中のウイルスへの感染と胎児への深刻な影響とは関連していると考えられる」とコメントして、警戒を呼び掛けています。
 また、ジカウイルスに感染すると、手足に力が入らなくなる難病、ギラン・バレー症候群になる可能性があるとする研究成果を、フランスのパスツール研究所やイギリスなどの研究グループが発表しました。
 研究グループが、2013~2014年にジカ熱が流行したフランス領ポリネシアで、同じ時期にギラン・バレー症候群を発症した42人の血液を調べたところ、全員がジカウイルスに感染したことを示す「抗体」を持っていたということです。
 全体の9割に当たる37人は、ギランバレー症候群を発症する数日前に、発熱や発疹などのジカ熱の症状が出ていたほか、うち12人については、人工呼吸器による治療が必要になったということです。
 発症の確率は、ジカ熱の感染者10万人当たり24人程度とまれですが、感染症の問題に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、「ギラン・バレー症候群にはさまざまな原因があるが、今回のデータはジカウイルスとの強い関連を示している。国内でもギラン・バレーの症状が出た人については、流行国への渡航歴を確認し、ジカウイルスとの関連も含めて調べる必要がある」と話しています。
 ギラン・バレー症候群は、体の中の免疫システムが自分の神経を攻撃してしまうことで、手足などのまひなどを引き起こす病気。ほとんどの場合は回復しますが、患者の20パーセントほどで、胸の筋肉がまひして呼吸が困難になるほか、合併症を伴って5パーセントほどの人が亡くなるという報告もあります。
 世界保健機関(WHO)によりますと、昨年のジカ熱の流行以降、コロンビアやベネズエラなど中南米で患者が増えており、ブラジルでは昨年11月までの患者数が1708人と、前の年より20パーセント近く増加しています。

 2016年3月6日(日)




nice!(10)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0