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■ストレスチェック義務化後の実施率は平均82・9% 職場の環境改善に活用は37% [健康ダイジェスト]

 2015年12月から従業員50人以上の事業所に義務付けられた「ストレスチェック制度」の実施率は今年6月末時点で8割にとどまっていることが、厚生労働省の調査で明らかになりました。
 大手広告会社・電通(東京都港区)の女性新入社員が過労自殺した事件などを機に、従業員の心のケアに関心が高まっていますが、実施結果を職場の環境改善に生かしている事業所も4割を下回るなど、課題が浮き彫りになっています。
 厚労省によると、全国約14万カ所の事業所のうち、ストレスチェックを実施したのは82・9%で、50~99人の事業所では78・9%でした。また、同省研究班が制度導入から1年間に実施した約270事業所を追跡調査した結果、職場の環境改善に生かしている事業所は37%で、従業員が参加して改善策に取り組んだのは、わずか4%でした。
 昨年からストレスチェック制度を本格導入している電気通信工事大手の「ミライト」(東京都江東区)の人事担当者は、「ストレスチェックの結果、各職場では上司と部下の意思疎通がうまくいってなかったり、仕事と家庭のバランスが取れていなかったり、さまざまな課題が明らかになった」と評価しています。
 同社では、個人が特定されないよう実施結果を40人以上の集団に分けて分析し、勤務体制の見直しなどの改善につなげています。
 一方、美容関連会社の人事担当者は、「300人程度の事業所では、日々の様子で従業員の状況は把握できる。制度を職場改善にどう生かせばいいのかわからない」と戸惑いの声を上げています。
 厚労省研究班の代表を務めた東京大学の川上憲人(のりと)教授(精神保健学)は、「実施率を高めるだけでなく、業務の見直しや職場でコミュニケーションを取りやすくする仕組みなど企業にどう対策を促していくかも大きな課題だ」と指摘しています。
 ストレスチェック制度は、2014年の労働安全衛生法の改正で50人以上の事業所に義務付けられました。従業員の精神的ストレスを早期に発見し、悪化を防ぐことが目的で、「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「時間内に仕事が処理しきれない」「私の部署内で意見のくい違いがある」「仕事に満足だ」といった57項目を尋ね、ストレスの度合いを数値化して示します。
 解答結果から「高ストレス」と判断された従業員は、医師との面談ができ、診断結果によっては事業者に対して、従業員の働く時間の短縮や配置換えといった対応が求められます。また、ストレスチェック結果を活用して職場改善に取り組むことが、事業所の努力義務になっています。

 2017年10月7日(土)

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