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■果物の適量摂取が動脈硬化のリスクを低減 日本動脈硬化学会が指針で推奨 [健康ダイジェスト]

 日本動脈硬化学会が動脈硬化による疾患の予防や診断についてまとめる「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」は、今年6月に5年ぶりの改訂が行われました。このガイドラインの中には、果物の適量摂取が冠動脈疾患などのリスクを低減させる可能性が記され、国内外の研究や解析結果の蓄積から、果物の健康効果の見直しが進んでいます。
 専門家らは、「健康なら、気軽に果物を食べてほしい」と呼び掛けています。
 果物の摂取は以前から推奨されていましたが、疾患予防との関連は明らかにされていませんでした。改訂されたガイドラインでは、「果物の摂取量を増加させることは動脈硬化性疾患予防に推奨できるか」との問いを記載し、「果物の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性があり、糖質含有量の少ない果物を適度に摂取することが勧められる」と明記し、強く勧められる推奨レベルAに分類しました。
 国立循環器病研究センター予防健診部の小久保喜弘医長は、「果物のよい研究成果が蓄積されてきた結果」と評価した上で、「果物を食べると太るといった誤解があるが、果糖と通常の砂糖は代謝メカニズムも違う。健康であれば、適量の果物が肥満や糖尿病を引き起こすとはいいにくい」と指摘しています。
 ガイドラインによると、果物の摂取量が多いほど心血管疾患や冠動脈疾患、脳卒中などのリスクが低下。特にナシやかんきつ類、リンゴとの関連性が強いといいます。グレープフルーツやキウイ、ベリー類で、動脈硬化の要因となる悪玉コレステロールと中性脂肪が減少したとの結果も紹介しています。
 小久保医長は「日本には“こたつにミカン”という風景がある。手軽に手を伸ばせる環境を作ったり、料理に加えたりしてほしい」と呼び掛けます。
 厚生労働省の食事バランスガイドでは、活動量「ふつう」の成人女性と「低い」成人男性の場合、1日に必要な果物は1つ(100グラム)を単位として2つ(200グラム)で、ミカン2個、リンゴ1個、ナシ1個、ブドウ1房、キウイ2個程度に相当します。イギリスの研究機関の解析では、1日200グラムで、冠動脈疾患リスクが10%、脳卒中リスクが18%、全がんリスクが4%低くなったといいます。
 女子栄養大学栄養学部の林芙美准教授は、「栄養指導に使ってきた200グラムという数字が、適量と裏付けされるようになってきた」と分析しています。
 果物の摂取を心血管疾患などの予防に推奨する一方、ガイドラインは、トウモロコシから作った果糖ぶどう糖液糖などを使った炭酸飲料やスポーツドリンク、ゼリー、アイスクリーム、シリアルといった加工食品のとりすぎは肥満につながるとし、生鮮果物と混同しないよう呼び掛けています。
 林准教授は、「皮をむくのが面倒という理由で敬遠する人も多いが、切ってスプーンですくってすぐに食べられるキウイや皮ごと食べられるブドウなど手軽な果物も多い。旬の果物を甘いもの代わりにしたり、お土産にしてもいいのでは。果物を見直してほしい」と話しています。
 厚労省の国民健康・栄養調査では、2013年の1人当たりの果実摂取量は1日112グラム。10年前に比べると全世代で減少し、最も少ない30~39歳では60グラムでした。生鮮果実を毎日とらない理由は「日持ちせず買い置きできない」「値段が高い」などに続き、「太る」が挙げられていました。

 2017年10月14日(土)

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