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■心身の活力が低下するフレイル、自立度低下リスクが約2・4倍 健康長寿医療センターが追跡調査 [健康ダイジェスト]

 東京都健康長寿医療センターの研究チームは、65歳以上の高齢者を平均7年追跡した結果、調査開始時に心身の活力や機能が低下した「フレイル」状態だった人が、要介護認定を受けるなど自立度に影響が出る危険性は、そうではない人よりも2・4倍高くなるとの分析結果をまとめ、「日本公衆衛生雑誌10月号」に発表しました。
 一方、国が推進する特定健康診査(特定健診、メタボ健診)で調べるメタボリック症候群(メタボリックシンドローム)の有無は、自立度の低下と関係ないことがわかったとしています。
 同じ集団を対象にフレイルとメタボリック症候群の影響を調べた調査は、初めてです。調査は、群馬県草津町で2002~2011年に高齢者健康診査を受診した65歳以上のうち、要介護認定を受けていない1453人を2014年まで平均7年、最大12年追跡しました。
 追跡終了時に要介護認定を受けたり亡くなったりした人は、計494人。健康診査時にフレイルと判定された161人を分析すると、フレイルではないと判定された人と比べ、要介護認定を受けたり死亡したりする危険性が約2・4倍高くなりました。また、74歳までの前期高齢者と75歳以上の後期高齢者に分けた場合、前期高齢者では約3・4倍高くなり、後期高齢者では約1・7倍で、特に前期高齢者で差がありました。
 メタボリック症候群は、自立度の低下との関連が認められませんでした。フレイルとメタボリック症候群の両方に当たる人もいましたが、統計学的に分析するとフレイルだけが要介護認定や死亡の発生率に影響を与えていました。
 メタボリック症候群を調べる特定健康診査は現在40~74歳を対象としており、75歳以上は腹囲測定を除く後期高齢者健康診査となります。
 研究チームの北村明彦・東京都健康長寿医療センター研究部長は、「若いころと同様に『太りたくない』と話す高齢者も多いが、健康寿命を延ばすには、高齢者は肥満対策よりも必要な栄養を取り、筋力を付けてフレイルを予防することが大切だ。前期高齢者の健診内容も検討すべきだろう」と話しています。
 フレイルは、加齢とともに筋力などの運動機能や日常の活動量、認知機能などが低下した状態。「虚弱」や「老衰」「脆弱」などを意味する英語「フレイルティー(frailty)」が語源。早く対処すれば、進行を防いだり健康な状態に戻したりすることが可能なことから、日本老年医学会が2014年5月に新しい呼び方として提唱しました。国内の75歳以上の1~2割がフレイルとの推計もあります。

 2017年11月19日(日)

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