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■昼寝をいざなう遺伝子、世界初発見 一時的に体温を下げて休息 [健康ダイジェスト]

 哺乳類や昆虫には「昼寝」に関連する遺伝子があり、これが働くことで体温を下げ、活動量を低下させているとの研究成果を、京都大学や北海道大学などの研究チームが発表しました。人にも同じ遺伝子があり、同様の働きをしている可能性があるといいます。
 昼寝に関連する遺伝子の発見は世界初で、論文がアメリカの専門誌の電子版に13日掲載されました。
 生物は昼夜のリズムに合わせて約24時間周期で活動が変化する「体内時計」を持っています。京都大薬学研究科の土居雅夫准教授などの研究チームは、人が昼すぎになると体温が一時的に下がって眠くなることに着目し、ショウジョウバエやマウスを使った実験で、この生命現象に関連する遺伝子を調べました。
 その結果、ショウジョウバエでは「DH31受容体」と呼ばれるタンパク質を作る遺伝子が、昼寝前の体温調節にかかわっていることを突き止めました。自身で体温が変えられない変温動物であるハエは、自らが好む温度の場所に移動する性質を持ち、通常は昼寝前に温度が低い場所に移動するものの、この遺伝子を働かないようにすると、その移動が見られなくなりました。
 また、哺乳類のマウスでは、タンパク質「カルシトニン受容体」を作る遺伝子が、「昼寝」前の体温調節にかかわることを確かめました。この遺伝子を働かないようにすると、昼寝の時間になっても体温は下がらなくなりました。
 ハエおよびマウスともに、今回見付けたタンパク質は、体内時計を作り出すのと同じ脳内の神経細胞で作られていました。カルシトニン受容体は人にもあり、同様の働きを持っていると考えられるといいます。
 研究チームは、哺乳類や昆虫の祖先が遅くとも6億年前には、このタンパク質を作る遺伝子の働きを獲得したとみています。
 土居准教授は、「昆虫と哺乳類は進化の上では6億年以上前に枝分かれしたとされるが、そのころから一時的な体温調節の仕組みを持っていたことになる。この仕組みが、睡眠にどのような影響を与えるのかさらに調べていきたい」と話しています。
 本間さと・北海道大学客員教授(時間生物学)は、「変温動物の昆虫と恒温動物の哺乳類は体温調節の方法が異なるが、体温を下げる仕組みが共通することは興味深い。ずっと活動していると体への負担が大きい。昼寝には体を休める重要な役割があると考えられる」と話しています。

 2018年2月20日(火)

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