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■飲酒と喫煙の両方の習慣ある男性、口腔・咽頭がんリスク4・1倍 国立がん研究センターなど調査 [健康ダイジェスト]

 男性の口腔(こうくう)がん、咽頭(いんとう)がんのリスクは飲酒、喫煙の習慣があるとそれぞれ上昇しますが、両方の習慣がある場合は4・1倍に跳ね上がることが、国立がん研究センターなどによる大規模な疫学調査で明らかになりました。
 口腔がんは口の内側や舌、歯茎、唾液腺などに、咽頭がんは喉にできるがん。研究チームは1990年と1993年に、岩手県、秋田県、長野県、茨城県、東京都、新潟県、大阪府、高知県、長崎県、沖縄県の10都府県でがんになったことがない40〜69歳の男女にアンケートを依頼。計9万5525人の回答を得て、2010年まで追跡調査しました。その結果、口腔がんと咽頭がんのいずれかになった人はこのうち222人(男性160人、女性62人)でした。
 対象者を飲酒が1日にビール中瓶1本程度(アルコール換算で週150グラム)より多いか少ないかと、喫煙習慣の有無とで分け、これらのがんのリスクを分析すると、男性では「飲酒少・非喫煙者」を1とした時に「飲酒少・喫煙者」で1・8倍、「飲酒多・非喫煙者」では2・1倍、喫煙者で飲酒も多いと4・1倍になりました。
 同じく男性を喫煙習慣で分けると、喫煙者のリスクは吸わない人の2・4倍。週に1回以上酒を飲む習慣の有無で分けると、そうした習慣がある男性は飲まない人の1・8倍でした。
 がんの部位別では、喉の一番奥で食道につながる部位にできる「下咽頭がん」で大きな差があり、男性では喫煙者が非喫煙者の約13倍の高リスク。1日の箱数(20本入り換算)に喫煙年数をかけた指数が60以上になると、下咽頭がんのリスクは約21倍になりました。
 女性でも、非喫煙者と比べて喫煙者で口腔がん、咽頭がんのリスクは2・5倍に増加する傾向がみられました。また、酒を飲まない人と比べてアルコール換算で週150グラムグラム以上を飲酒する人では口腔がん、咽頭がんのリスクは5・9倍に増加しました。
 研究チームは、「日本人における口腔がん、咽頭がんの予防のためには、喫煙せず、飲酒量を控えることが重要であることが再確認された」と述べています。

 2018年3月24日(土 )

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