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軽度認知障害、女性のほうが速く悪化 東大教授らのチームが分析 [健康ダイジェスト]



 認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)の女性は、男性に比べて症状が速く悪化しやすいとの研究結果を東京大学教授の岩坪威さんらの研究チームがまとめ、アメリカの科学誌に発表しました。認知障害の悪化が速い女性には腎機能の低下がみられるという特徴もあり、生活習慣病の影響がうかがわれました。
 研究の対象は、全国の38医療機関で診療を受け、物忘れなどがみられた軽度認知障害の男女234人(平均年齢72歳)。認知機能や脳の画像の検査を続けて3年間追跡調査し、悪化の原因などを分析しました。
 その結果、期間内に認知症へ移行したのは女性が60%で、男性の44%より高くなりました。女性の場合、腎機能がわずかに下がると、認知機能も悪化していることがわかりました。男性の場合、教育を受けた期間が長いほど認知機能が悪化しにくかったといいます。
 認知症発症の主な原因とされるアルツハイマー病にかかっている人の割合は、研究に参加した男女間で大きな差はありませんでした。同じ方法で実施された北アメリカの研究では、認知機能の悪化に男女差はなかったといいます。
 データ解析を担当した東大講師の岩田淳さんは、「糖尿病や高血圧などの生活習慣病は腎機能を低下させるほか、動脈硬化を引き起こして神経細胞が壊され、認知機能の悪化を招く」と説明しています。その上で、男女差が生じた理由について、「女性は男性より体が小さいため血管も細く、生活習慣病で血管がダメージを受けやすいためではないか」とし、体格が影響しているとの見方を示しました。
 女性で腎機能の低下が認知機能にかかわっていることがわかった報告は初めてといい、研究チームは今後、認知機能の低下を進める他の要因も探します。

 2018年8月21日(火)
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