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■製薬アラガン、人工乳房を世界的にリコール 33人死亡で安全性に懸念 [健康ダイジェスト]

 アイルランドの製薬大手アラガンは24日、一部の人工乳房製品について全販売地域で自主回収(リコール)し、販売停止すると発表しました。同製品の使用者にがんの発生率が高く、アメリカ・食品医薬品局(FDA)が同日、リコール勧告を出したため。
 リコール対象は「バイオセル・テクスチャード・ブレスト・インプラント」ブランド名で販売する一連の製品。表面がざらざらしたタイプのゲル充填人工乳房で、がんで切除した乳房の再建や豊胸手術などで使われます。
 FDAによると、人工乳房が原因で悪性のリンパ腫(がん)を発症したと見なされる患者が世界で573人確認され、そのうち481人がアラガン製品を使用し、33人が亡くなっていました。2011年に病気のリスクが指摘され調査していました。このリンパ腫は、「ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫」と呼ばれます。
 FDAは、すでにインプラント手術を受け、がん発症が確認されていない場合について、摘出手術を推奨していません。
 アラガンはしわ取り薬「ボトックス」が主力で、今年6月、アメリカ・製薬大手アッヴィによる7兆円での買収に合意しました。人工乳房関連製品が売上高に占める割合は3%程度で、業績への影響は少ないとみられます。ただ、リコールにより集団訴訟リスクを抱えることになります。
 FDAによると、表面がざらざらしたタイプの人工乳房の使用率は、アメリカでは5%程度。カナダやオーストラリア、フランスなどで使用率が高いといいます。
 日本では、日本法人のアラガン・ジャパン(東京都渋谷区)の製品が承認されています。関連学会が国内初のアラガン製の人工乳房によるリンパ腫の患者を確認したのを受けて、厚生労働省が6月、病気のリスクを患者に十分説明することを添付文書に記載するよう指示していました。

 2019年7月25日(木)

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