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■脳に蓄積する銅、ダウン症と関係か 京都薬科大など研究 [健康ダイジェスト]

 人のダウン症とよく似た遺伝子変異を持つマウスは脳に銅が蓄積しやすいとする研究成果を、京都薬科大学病態生化学分野の研究チームが発表しました。このマウスは生後に銅の摂取量を減らすことで、一部の症状を抑える効果が現れたといいます。成果が、アメリカの科学誌に掲載されました。
 ダウン症は、約700人に1人の確率で発生する最も頻度の高い染色体異常として知られています。通常2本ある21番染色体が受精卵の段階で3本(トリソミー)となる突然変異が起きることで、精神発達遅滞や記憶学習障害といったさまざまな症状が現れます。また、脳の神経細胞の数が少なくなることが知られていますが、なぜそうなるかは不明でした。
 研究チームは、染色体の変異や症状が人のダウン症と似ているマウスの脳を調べました。その結果、大脳や小脳、海馬などに、健康なマウスの約1・5倍の銅が蓄積していることを発見しました。この変異を持つマウスは警戒心が弱く、外敵に襲われやすい広い場所に自分から出てしまう傾向があります。そこで餌に含まれる銅の量を10分の1以下に減らして育てたところ、脳に蓄積する銅の量が、健康なマウスとほぼ同じレベルになりました。
 また、健康なマウスと同様に広い場所を避け、壁際を選んで移動する慎重な行動を取るようになったといいます。銅は魚介類などに豊富に含まれ、人の体内にも常に一定量、存在します。
 人のダウン症と銅の蓄積の関係はわかっていませんが、研究チームの石原慶一・京都薬科大講師は「過剰な銅の蓄積によって脳内で活性酸素ができ、神経を傷付ける一因になっている可能性がある」と話しています。

 2019年12月8日(日)

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