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■がん治療薬「オプジーボ」が効く患者を見分ける手法を開発 本庶氏ら京都大チーム [健康ダイジェスト]

 2018年にノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授の研究チームが、自身の研究をもとに開発したがんの免疫治療薬「オプジーボ」について、肺がんで、薬が効く患者と効かない患者を高い精度で見分ける新たな手法を見付けたと発表しました。
 治療効果を早期に見極められ、医療費削減にもつながる成果で、30日のアメリカの医学誌「JCIインサイト」(電子版)に30日、論文が掲載されました。
 オプジーボは、がんを攻撃する免疫細胞の一種「T細胞」を活性化する薬。一部の患者には劇的に効く一方で、全く効かない患者も多く、肺がんで効果がある人は約2割とされます。
 研究チームは、患者のT細胞の状態が年齢とはかかわりなく、個人差が大きいことに着目。オプジーボを投与した肺がんの患者47人を対象に、投与する前と投与直後の血液からT細胞を取り出し、細胞の状態と治療成績の関係を分析しました。
 その結果、薬の効果が3カ月以上続いた25人のうち24人の血液は、投与前から活性化しやすい元気なT細胞の割合が高く、投与後は若いT細胞が増えました。逆に薬がほとんど効かない人では、機能が低下して疲弊したT細胞が多くなっていました。
 研究チームは肺がんの患者にオプジーボをおよそ1カ月間投与して、この特徴に当てはまるかを調べることで、薬の有効性を81%の精度で予測できるとしており、がんの部分を切り取って分析する従来の手法に比べて負担が少なく予測の精度も高いとしています。
 研究チームの茶本健司特定准教授(がん免疫)は、「実用化されれば最適な治療法を提案できるし、効果のない人は早めに別の治療法に切り替えられる。医療費の削減にもつながる」と話しています。

 2020年1月31日(金)

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